大人オリジナル小説

Re: 終わらない戦い ( No.142 )
日時: 2011/02/18 19:04
名前: 鈴蘭

「束田マジウザい〜消えろって感じ」
「美紅ちゃん言いすぎだよ〜ウザいんだけどさ〜」
「愛花も言い過ぎだって」
あはは、と笑う。
咲恵も場の雰囲気で笑う。所詮愛想笑い。



嗚呼、解らない。

何が。

何がそんなに笑えるのか。

何がそんなに面白いのか。



私には、解らない。




「咲恵ちゃんもそう思うでしょー?」
愛花が語尾にハートをつけたようないいかたで聞いてくる。

「…うん、そうだね」

別に、ウザいなんて思わない。
綾ちゃんは気が強いだけで何も悪いところはない。口が悪いのが少し気になるがそれはもう治せないことなので、個性として認めている。
自分の意見を最後までつきとおす、とても心の強い人だと思う。
そんな綾ちゃんが、何故?

ガタン。

真相を知りたい。
綾ちゃんに話を聞こう。
「え、咲恵ちゃんどうしたの?」
「さっき先生に来いって言われてたの思い出してさ」
「うっわぁ〜…」
「じゃあ行ってくるね」
「「行ってらっしゃ〜い」」

あぁ気持ち悪い。

2人で声合わせちゃってキモッ。

早く綾ちゃんを見つけよう。

咲恵は知らないうちに早歩きになり、やがて走っていた。
教室には見当たらない。
なら、どこに_______?




廊下の曲がり角を曲がると、綾ちゃんの声ともう1人の女の子の声が聞こえた。

誰――?

ひょい、と覗いてみるとそこには帆波の胸倉をつかんでいる綾がいた。しかも帆波は苦しそうに顔を歪めている。

綾ちゃんに、帆波ちゃん!?何か、話してる…?

ここから綾たちの場所までは約5メートル。柱のおかげで死角になっているので綾たちに気付かれることはまずないだろう。
耳を澄ますと、綾の声が聞こえてくる。

『はぁ!?何それ!誰が言ってんの!?』
いかにも怒っている綾。それに答える帆波の表情は歪んだままだ。
『っ……美紅ちゃんと…愛花ちゃん……』
美紅ちゃんに、愛花ちゃん・・・?
聞きなれた単語が出てきたため咲恵は動揺した。

嗚呼そっか。
綾ちゃんはこれに対して怒ってるんだ。
この、噂に。

…ん?ちょっと待って。
帆波ちゃんは美紅ちゃんと愛花ちゃんって言った。美紅ちゃんと愛花ちゃんが綾ちゃんを嫌っているのは事実だ。



だけど。
私の名前が出てこなかった____?




疑問に思っているうちに綾は何処かに行っていた。




待って、綾ちゃん!



咲恵は、綾の後を追った_____