大人オリジナル小説
- Re: 終わらない戦い ( No.143 )
- 日時: 2011/02/18 19:18
- 名前: 鈴蘭
綾の後を追っていった。
もちろん見つからないように。
今まで早歩きだった綾の足がピタッと止まった。
「…いつまでそうしてるつもり?……咲恵」
!!!
バレてた……。
咲恵は渋々綾の前へと出て行った。
「…いつから分かってた…?」
「え、最初」
・・・・・・
そんなに解り易かったですかぁぁぁぁっ!?
咲恵が「うー」と唸っている。綾はそれを見て笑う。
「で?何で尾行(?)してきたの?」
「綾ちゃんカッコはいらないよ…(泣)」
「あはは、ごめん」
綾の笑顔を久しぶりに見た咲恵は懐かしい気持ちになっていた。
ここ最近は本当に酷かった。
綾の顔はいつも冴えなかった。理由を聞いても「別に」というだけで何も答えてくれなかった。咲恵も美紅たちのことは嫌になり始めていたが、行動に移そうという勇気がなかった。それを軽々とやってしまう綾を尊敬する咲恵だった。
「…咲恵は、どう思ってる?あの二人のこと」
綾からの、当たり前とも言える質問。
「わ、私は」
いっそ本当の気持ちを言ってしまおうか。
「…嫌い。大嫌い」
「あの二人なんか、大嫌い、だよ」
今度はちゃんと綾の眼を見て言う。
綾は、少し驚いた顔で一言、
「そっか」
と言った。
「私、先に教室に戻ってるね。先生に呼ばれてるって嘘ついてこっち来たから…」
「そか。じゃあ後で」
綾はまだここに残るようで、(サボりか…?)咲恵に向かって手を振っていた。
咲恵もそれにこたえるように手を振った。
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