大人オリジナル小説

Re: 終わらない戦い ( No.45 )
日時: 2010/07/21 18:06
名前: 鈴蘭

続き

「私と、鮎ちゃんは親友だったの・・・私が思ってただけかもしれないけど・・・」
「何で・・・そんなに仲良しだったのに・・・」
亜子は悲しそうな声だった。本当はこの事実を知っているのに。
「その・・・ある日、教室がざわざわしてて・・・次の教科の先生は怖い先生だったの。それで鮎ちゃんが先生の足音を聞いて・・・」
「それでばれちゃったんだ。その・・・絶対音感」
里香は無言のままうなずいた。
「それで・・・咲恵ちゃんたちが絶対音感に目を付けちゃって・・・私はいじめられて・・・鮎ちゃんは咲恵ちゃんのグループに行っちゃって・・・」
「そっかぁ・・・何か、ごめんね。こんな話しさせちゃって」
亜子は大変申し訳なさそうに言った。それに対し、里香はぶんぶんと首を振った。
「いいの・・・もうこの事は忘れることにしてたけど・・・亜子ちゃんに話したことで、勇気付いたっていうか・・・なんていうんだろう・・・とりあえず、ありがとね」
笑顔で里香は話した。

そんな里香を見て、亜子は涙が止まらなかった。
(こんな・・・いい子を、だますことなんて・・・私には・・・っ!・・・出来ないっ・・・!)

「っえ!ちょ、どうしたの?」
里香は突然泣き出した亜子を心配している。
「ごめん・・・何でもない・・・」
「えっ!でも・・・っ」
亜子は里香に向ってにこっと笑った。

(・・・あ。今初めて心から笑えた気がする・・・)

亜子はずっと咲恵の手下だったために、咲恵の機嫌を損ねないように、とずっと気を使ってきた。そのためにいつごろかから笑わなくなっていたのだ。
「・・・ありがとう。ありがとう、里香」
「え・・・?うん?」
もう一度笑うと、亜子は今まで座っていたコンクリートの階段から立ち上がり背伸びをした。
「・・・早くいこ!里香!」
「うんっ・・・!」
二人とも笑顔でこの場を立ち去って行った・・・

〜鈴蘭から〜
終了ー今日も疲れたー今日はいろいろな事があったなぁ・・・思い出したくないけど・・・