大人オリジナル小説

Re: 終わらない戦い ( No.7 )
日時: 2010/06/22 19:06
名前: 向日葵

 前回の続き


「はあ〜・・・まったく、この階段キツすぎ!」
咲恵がこの急な階段に対して文句を言っている。
「いやいや咲恵、階段に文句言ってもどうにもなんないからね」
と、私がつっこみを入れる。今さらだけど、私と咲恵のコンビはなかなかいいほうだと思う。(だいたいが咲恵→ボケ 私→つっこみ なのだが。)

「・・・?マッチ?置いてくよ〜」
榛名の声で我に返った私。考えている間、止まっていたらしい。
「ちょ、ごめ、待ってよぅ〜」
私は皆の後を追いかけた。ちょうど4階まで上がった所で、「ある人」を見てしまった。


それは――――・・・木村 美紅だった。



「あれ!?マッチじゃん!・・・あ、そっか、この高校入れたんだー・・・こんなバカでも・・・クスッ」
私は拳を強く握った。ピクッと美紅の言葉に反応してしまう。

そんな私を見かねてか、
「マッチ、早く行こう」
と小声で榛名が言ってきた。
「・・・うん・・・」
私は納得いかなかったが、ここは諦めようと思った。入学初日で騒動を起こすというのはマズイと薄々感じていたからだった。

「・・・いつかぶっ殺す・・・」
美紅の後でぼそりと呟く。

「・・・今さらだけど、マッチってやっぱ怖いわ」
「そぉ?」
そんなに怖いか?そりゃ気に入らない子はいじめるけど・・・どうなんだろ?考えていると、榛名が声を上げる。

「うん。だって気に入らない人間は徹底的にいじめるでしょ?それに、「情報屋」だし、薬品持ってて毒薬とか作れるし」
「いやいやいや!いじめることはわかるけどさ、情報屋って何さ!あと、薬品持ってんのはただの趣味!」
半ば興奮気味にそう言い放った。

「情報屋はねぇー・・・個人情報知ってんじゃん。・・・いろんな人のさ」
「うー・・・うん・・・まあ・・・ね。中学校時代集めまくったもんなー・・・」
「でしょぉ?」
にこにこの笑顔で、しかも人差し指を立てながら、言ってくる榛名。


すると、
「あ、ここだここ、ほら4組」
咲恵が目の前の教室を見ながら言った。確かに黒板にも「1−4へようこそ!」なんて書いてある。そして自分の出席番号をもう1度確かめる。最初から席が決まっていて、担任が勝手に決めたらしい。

「席・・・どこだろ・・・」
「あった、3番!隣、那美だった〜・・・・・・・げ、美紅と同じ班だ・・・・・」
と、気味の悪いものを見たような声を上げる榛名。
「う〜っわ、最悪!榛名頑張れ〜!」
そう言っている私であったが、本当は自分じゃなくて榛名で良かった。と思っていた。これを言ったら、間違いなく嫌われるな、と思い口には出さないでいた。
  
私も結構「ズルイ子」だと気がついたのはもう少し後の話なのだが。






んじゃ、またね〜
By向日葵