大人オリジナル小説
- Re: 終わらない戦い ( No.75 )
- 日時: 2010/12/17 20:14
- 名前: 鈴蘭
続き
「「えっ!?」」
薫のつぶやきにより、皆は一斉に声のほうを振り向いた。
「楽しそうだね…かお君?」
洵の顔は狂気に満ち溢れていた。
薫の体は小刻みにけいれんしている。
「かー君!」
「薫!」
これは何故か洵を見ると起こってしまう症状で、感情のコントロールが出来なくなる。正確には記憶のフラッシュバック。中学の時にもこの症状が起こり、学校の窓ガラスを2、3枚割った。その割った現場を見ていた香奈美と榛名はすぐさま止めに入る。ちなみに「かーくん」というのは薫の事で、幼稚園時代から知り合いの人だけにはこの呼ばれ方をしていた。
「落ち着いて!」
「薫!」
薫は頭を抱えはじめた。
「っぁ…あぁ…っ…」
嗚咽を洩らしながら、必死に感情を抑えようとしている薫。それを必死に見守る香奈美と榛名。一方、洵は楽しげに笑みを浮かべている。
洵が、一歩前に出た。
「!?」
皆洵から眼が離せない。
「近寄らないでっ!!」
香奈美の声だった。
「これ以上かー君に近寄らないでっ!!!」
香奈美にしては珍しく、怒っているようだった。
ちょうどその時、薫の体が前のめりに倒れた―…
「「薫!?」」
あまり状況の読みこめない幸人と拓斗が驚いた顔で薫を見ている。そして、倒れるギリギリのところで薫の体を幸人に拓斗、香奈美に榛名という大人数で支えた。
「まずは、保健室っ…!」
すっかりリーダーになっている香奈美の命令で1階にある保健室に運ぶことになった。
「榛名、先生呼んで来て!」
香奈美が叫ぶ。
「分かった!」
返事をする頃にはもう走り出していた。
1分もせずに1年4組担任の溝口 昌弘がやってきた。
「薫君っ!」
先生は薫の体を支えると、校内電話で保健室の先生を呼んだ。保健室の先生は来るなり、
「!運びます!そこの子手伝って!」
と担架を広げた。香奈美たちは近くにいたので強制的に手伝わされることになった。
「はい、いち、にっ、さんっ!」
先生の掛け声とともに薫の体を慎重に担架に乗せた。
ここまでにしておきます($・・)/~~~