大人オリジナル小説

Re: Repeat ―リピート― ( No.34 )
日時: 2010/07/11 11:18
名前: 紅翠 ◆aeqBHN6isk
参照: もう少しで終わっちゃうよオイオイ

*〜Story.14〜*  ―彩羽side―


ふと、思った。

終わらないなら、私が終わらせればいいんじゃないのかな?
って。

でも、どうやって終わらせればいいんだろう。
この速い曲は、どうやったら止まる?

それで、考えた。

曲に重要な音符。
例えば、ドの音がなかったら、曲ってできないものだと思う。

じゃあ、消えちゃったら、止まるよね? 終わるよね?


私が消えれば、終わるんだよ。


あーあ、なんでこんな簡単なことに気がつかなかったのかな。
あはは。あははははは。

そっか、苦しさで、考えられなかったんだね。
でも今は苦しくない。

だって、もう私に感情なんてないんだから。
心なんて、ないんだから。

墜ちたんだもの。


で、消えるにはどうすればいいんだろう?
うん、存在が消えればいい。
じゃあ、この世から消えればいい。
それなら、死ぬのが一番いい方法かな。

死ぬのにはどうすればいいんだろう。
リストカット?
睡眠薬?
首つり?
毒を飲む?
ん――……

みんなに、“この曲は終わりました”って、伝えたいな。
だから、そうだ、学校でやろう。

学校の屋上から飛び降りよう。
あの高さなら生きていられるなんてありえないはず。

決まった。

明日に、実行しよう。


ずっと探していた答えが見つかって――。
感情を失ったはずの私でも、自然に口元がゆるんだ。