大人オリジナル小説
- Re: Repeat ―リピート― ( No.6 )
- 日時: 2010/07/08 19:14
- 名前: 紅翠 ◆aeqBHN6isk
- 参照: 名前の読みはコウスイです。
*〜Story.4〜*
「私達、ね……。」
杏那が意を決したように、彩羽をじっと見据えた。
「貴女の味方になるわ。」
「?!……」
杏那のはっきりとしたその言葉を聞いた瞬間、眼を見開く彩羽。
「…………
いじめたいのなら早くやりなさい。
嘘に引っかからせてからかおうとでもしてるの?」
それでも、彩羽はすぐに眼を伏せ。
またもや踵を返し、かつかつと音をたてながら歩きだす。
「甘いのよ」
そんな一言を呟いて。
でも、それは、まるで自分にも言っているようだった。
――――一瞬でも信じてしまった私は、やっぱり甘いのよ。
他人を信じたらダメって、わかってるのに。
彩羽は唇をくっと噛み締めると、――――
「!!……触らないでよ!!」
自分の肩にふれようとした手を、即座に払い除けた。
「貴方誰?やめて、どんな理由があったって他人にふれられたくないの」
冷たい眼で、男子――、宮崎 静人の顔を睨む彩羽。
「ッ……
おいおい、勘違いしないでくれ。敵じゃないって言ってるだろ。俺は宮崎 静人。
それに、触ろうとしたのはゆかりだよ。」
彩羽の鋭い視線に後ずさりしながらも、にぃっと笑う静人。
そして静人に背中を軽く叩かれ、怯えるように女子は自己紹介した。
「田泉 ゆかりです……。」
少しうつむいている杏那に、笑みを浮かべる静人。おどおどしているゆかり。
その3人に対し、彩羽は自分の態度を崩さなかった。
「ふざけないで」
3人の顔も見ずに、そう言い放つと、彩羽は歩き始めた。
今度は、杏那の呼びかけにもまったく答えずに。
「信じてくれないんなら、明日学校で証明するからっ……」
杏那は、そう思いっきり彩羽の後ろ姿に叫ぶと、静人とゆかりのことも気にせずに、彩羽とは逆方向に走り出した。
――――ナニカを、こらえて。
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