大人オリジナル小説
- Re: い じ め ―壊れかけた友情― ( No.97 )
- 日時: 2011/05/21 18:16
- 名前: マィ ◆65BsDzCxQs
- 参照: 明日は…体育大会!!!
○。第16章。○―皆の裏切り―
崔羅が勇気を振り絞り、亜那に言った。
「どうして虐めたかって?
そんなの簡単じゃない。…ムカつくから」
亜那から返ってきた言葉は…
やはり冷たいものだった。
「私…何か悪いことした…?
入学して2ヶ月…。
ずっと苦しかった。
学校行くのがとても怖かった。
毎日毎日泣いた…。目が腫れるくらい。
誰一人助けてくれない。
…みんなアンタの味方だったから。
親友と思ってた人にも呆気なく裏切られた。
…過去の事を1つ1つ思い出すにつれて…
…とても悲しくなる…。
いじめてた人は今までずっと楽しかっただろうけど…
こっちは…苦しかった!!!死にたかった!!!
私の事を分かってくれる人は一人もいなかった!!!」
崔羅は話してる途中、地面に崩れ落ちた。
顔は涙でぐちゃぐちゃになっていた。
いじめに加わっていなかった女子は
崔羅と同じように涙を流していた。
亜那のとりまき達もいじめるような威勢はなかった。
ただただ、泣きじゃくっている崔羅を見降ろしていた。
…だが一人だけその態度に納得しないものがいた。
「何さっきから1人で語ってんのよ…。
そんなこと言って…
ただ同情してもらいたいだけなんでしょ?
言っとくけど…ウチアンタにしてきたこと
全然悪いとか思ってないから!!!
超楽しかった!!!アンタの泣き叫ぶ姿!!!
あんたらも何同情してんのよ。マジキモい」
「・・・・・」
亜那の言葉でとりまき達は視線を変えた。
悪意の道は崔羅から亜那に変わった。
鋭く睨み続ける4人。
亜那はちっとも動じない。
「何よ。その目は。
どうせ逆らうこともできないくせに。
調子こいてんじゃねぇよ!!!
あんた達は…一生あたしの言う事を聞いてればいいのよ!」
「なっ!!!!!!」
その言葉に第一に舞華が反応した。
「お前…いい加減にしろよ!!!」
諒輔が背後から叫んだ。
亜那には全く通じない。…むしろ効果0。
「あたしはね〜…アンタが一番ムカつくのよ!
大石崔羅!アンタが死んだら許してあげるわ。
死なないなら…力づくで死なせてあげる!」
そして亜那は…またバッドを持った。
それを上下左右に振り回した。
女子は怒りの限界だがこれでは近付けない。
…だが女子は近づけなくても男子は正反対。
バッドを振りかざす亜那に対し
普通に近づき、手を捕えた。
「なっ!!!離せ!離してよ!
あんた等も逆らう気!!!」
「は?何言っちゃってんの。こいつ」
「よえーくせに女王様気取りになっちゃってさ。
馬鹿じゃねぇの?」
亜那を捕えた瞬一と堅太が言った。
「ほら。めんどーなことになる前に…
こいつに謝れ。…どっち道今行っても不利だ。
もうみんなアンタの事が嫌いになっちまったからな」
諒輔の言葉に亜那は唖然とした。
「な…何言ってんのよ!
みんながあたしを裏切るわけないじゃない!
そうよね!…あんた達!」
焦りながら亜那は羅伊奈達の方を向く。
「アンタなんか…元から嫌いなんだよ!」
「え…」
「何様のつもり!マジムカつく!」
「大石より…アンタいじめた方が良かった!」
「あんたの方が…一人ぼっちじゃん!」
「そ…そんな…」
…亜那は地面に崩れ落ちた。
それと同時にバッドも手から離れた。
「…少しは…みんなから嫌われる気持ちわかった?」
さっきまで泣き崩れていた崔羅が立ちあがった。
「…は…はぁ?…!!!…アンタ…」
崔羅は少しずつ歩み…
亜那にそっと手を差し伸べた。
―第16章 END―