大人オリジナル小説

Re: 差別 〜消えない傷〜 ( No.11 )
日時: 2011/05/12 19:22
名前: rara

6話 絶望




朝が来た。今日から私が“生贄”―――――。



学校に着き、下駄箱を開ける。

「何よこれ……」

上履きには虫の死骸が山ほど入っていた。
これじゃ履けないので、スリッパを借りた。
「こんなのまだ序の口。耐え抜かなきゃ……」

スリッパを借りた私は教室へ向かう。

ガラ……

「あら、ごきげんよう。生贄さん」

椎菜と数人の女子達が近づいてきた。

「おい生贄、いい話だぞ! 椎菜様が特別室を用意して下さった!」

由里が不気味な笑顔でそう言った。

「……特別室?」

「ええ、あなたにぴったりのいい部屋よ。きっと気に入るわ」

そして私はその部屋に案内された。


「ここよ。入って下さる?」

そこは10年も使われていない学年室だった。
私はほこりっぽい学年室に無理やり入れられ鍵をかけられた。

「私達が来るまで大人しくしてなさい!」





4時間目が終わっただろう……
誰かが学年室に入ってきた。

「生贄さん、あなたはアメリカ人のハーフだからお口に合わないと思って違う給食を持ってきてあげましたわ」

私はその給食を見て唖然とした……

「どうだ、生贄。椎菜様に感謝しろよ!」

由里の言葉すら耳に入ってこなかった。

「これはどぶ水よ。飲ませてあげますわ」



もう、私は逆らう気力すらなかった―――――。