大人オリジナル小説

Re: 差別 〜消えない傷〜 ( No.2 )
日時: 2011/05/11 18:33
名前: rara

1話 ルール



12歳のとき私は日本に来た。
そう、私はハーフ。
アメリカ人の母と日本人の父との間に生まれた。

小学校に転校してきた時、私は“あのこと”が起きないか不安だった。
でも、小学校のみんなは私に優しく接してくれた。

とても嬉しかったよ―――――。


小学校を卒業して私は中学生になった。
中学生になった私は父の都合で引っ越すことになった。

転校するとしても、もう<不安>という言葉は消えていた。
しかし、恐れていた“あのこと”が起きてしまったのだ。


「ごきげんよう、天宮マリアさん」

彼女は吉澤椎菜。日本で有名な《吉澤グループ》のお嬢様らしい。

「あなた、転校生よね?」

「はい……」

「このクラスのルール、知っているかしら……?」

「……知りません」

すると、椎菜が不気味に笑った。

「まあ知らなくて当然よね。いいわ教えてあげる。このクラスの“ルール”」

「どんなルールなんですか……?」

「このクラスのルールはテストで最下位だった人はいじめられるの」

そんなの間違っている! 私はそう言おうとしたが、
椎菜が文句ある? というような目をしていたので言えなかった。

「ま、お互い頑張りましょうね」

椎菜はそう言い捨て行ってしまった。


……やっぱり、日本にも“いじめ”はあるのね……
でも私は自分を犠牲にしてもいじめられている人を守るわ!!
(見ててね……ジュリ、メアリー……)


私は空に誓った―――――。