大人オリジナル小説

Re: 救世主は笑った((題名変えました ( No.10 )
日時: 2011/01/08 19:26
名前: 臨


〜3話〜SIDE HIYORI〜

よいしょっなんていう声を上げながら
救世主さん(って勝手に呼んでる)は飴を咥えたまま立ち上がる

「俺、行くわ」
「えっ・・・と・・・どうぞ?」
「何で疑問系?ま、いいや。君も早く行かないと休憩終わっちゃうよ」
「あっ・・・・・!」
「じゃね」

吹いた風と同時に駆けていく救世主さん
最後に見せた笑顔・・・なんか暖かかったな・・・
そう思いながら座ってた私は立ち上がる

「行かなくちゃ」

私は教室へ向かう
一度だけ救世主さんが座ってた場所を振り返って


「あ〜、帰ってきたぁ」
「帰ってこなくても良かったのにね」

そういって私を蹴ったクラスメイト
下げた顔から上にあるクラスメイトを睨んでみた
肩がびくっと揺れるのが分かる
怯えるのならば虐めなければ良いのに
自分の机に着き、机の中から教科書をだそうとする

「痛・・・」

痛みが走った指を見てみると赤い液体がついてた
血は嫌い・・・だから目を閉じる
耳に入ってくるのは昼休みではしゃいでるような声、雑音
それと私をクスクスと笑うクラスメイト

ガラッと扉が開く音がする
クスクスという笑い声も止まる
目をあけて、そっちを見てみる
市松さんと島根さんだ・・・
それと・・・蓮君
ぱちっと目が合う、あ、逸らされた
当たり前なのかな・・・

「ねぇ・・・蓮くぅん」
「何・・・?」

猫撫声で市松さんは蓮君に声をかけ腕に絡みつく
それに蓮君は眉間に皺を寄せながら答える
構わず市松さんはいつもの調子
はぁと少しため息をつくと島根さんはこっちを見て口端を吊り上げ笑う
私が蓮君の幼馴染で私の・・・好きな人と知ってのことかな・・・

「うっわ・・・微妙なふいんき・・・あれ?ふんいきだっけ?」

なんだか聞き覚えのある声と同時に
ダンッと着地するような音が聞こえる
教室の扉の方を見ると

【救世主はそこにいた】

(何でここに・・・?あ、制服うちのに変わってる・・・)