大人オリジナル小説
- Re: 救世主は笑った((題名変えました ( No.17 )
- 日時: 2011/01/18 18:17
- 名前: 臨
〜6話〜SIDE SEIYA〜
風見さんを家に送った後
正反対の俺の家に帰る
なんで俺はここまで風見さんにやってるんだろ
そういう思いが込みあがってきて
答えを求めるように厚い雲に覆われた空を見上げる
今は夕方6時、夏はまだ明るいはずだけどな・・・雨でも降るか
「俺は何してるんだろーね」
違う疑問が頭を渦巻き
何をしたいのかもわからない
乾いた笑い声が通っていたトンネルに反響して
頭が痛くなる
「風見さん・・・・」
小さく呟いた彼女の名前はトラックの音にかき消される
彼女を何故助けたか・・・なんでだろうか?
体が勝手に動いていた、というのが正論
別に助けたいと思ったわけではない
ましてや、一目惚れなんかは論外だ
きっと・・・・・きっとなんだけど・・・・・
あの彼女の頬に伝う涙が
弱かった昔の俺と重なった
違う・・・彼女は弱くない
芯は通っていて、瞳には強い意志が宿ってる
俺は・・・・ただの弱虫
俺はマリオネット「あの人」に操られてる
目はいつも虚ろ、いつも空しか見てなかった
俺は泣くことしか出来なかった
「あの人」を救うどころか
自分さえも救えなかった・・・・お互いに壊しあった
俺はただ弱かった
【救世主なんてただの弱虫】
(ポツッと降ってきた雨)
(頬に伝い流れる)
(それを拭ったはずなのに)
(また雨が頬を伝う)
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