大人オリジナル小説
- Re: 救世主は笑った((題名変えました ( No.20 )
- 日時: 2011/01/22 20:20
- 名前: 臨
〜7話〜SIDE HIYORI〜
紅雀君が送ってくれた後
しばらく突っ立っていたらぽつっと雨が降り始める
頬に落ちる雨の雫を拭って
さらに振ってくる雨をしのぐように家に入る
「おかえり」
玄関に入ると立っている人
嬉しさで笑みを浮かべる
「ただいま、柚李君」
「だからお兄ちゃんって呼びなって・・・もう」
そう、私のお兄ちゃん
ちょっと前までは離れたおばさんの家にいた
けど帰ってきて・・・・
すごく戸惑った
顔を合わせるのが辛かった
思い出す。辛さで顔が歪む
「・・・・・・・ほら着替えてきな。夕食できてるよ」
「ん・・・・ありがとう」
「待ってるから・・・ね?」
「・・・・うん」
色んな意味を含んだその言葉に相槌を打ち
かばんを持って自分の部屋に向かった
「そういや怪我増えてない?何かあったの?」
夕食のビーフシチューを口に運んでる瞬間に
いきなり言われた言葉に驚く
「べ・・・つに何もないよ・・・・・・私ドジだから」
「・・・・そっかそっか。」
「ごちそうさま」
「・・・・・・・・・あぁ」
知ってる
柚李君は私が虐められてることくらい
けど・・・私が何か言うまでは黙っててくれる
私を見捨てるとかそんなんじゃない
私が踏ん切りをつけるまで・・・私自身の問題と分かってくれてるから
だから・・・ごめんね
もうちょっと待っててね
・・・---私を助けてくれる
紅雀君も柚李君も
私にはもったいない---・・・
【救世主は必要ないよ】
(だから)
(私は一人で)
(戦います)
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