大人オリジナル小説

Re: 救世主は笑った((題名変えました ( No.21 )
日時: 2011/01/23 18:12
名前: 臨


〜8話〜SIDE HIYORI〜


重い足を引きずって学校へ向かう
相変わらず下駄箱の中の上靴には画鋲が入れられてる
それを抜いてから
かかとを踏まないように上靴を履き
二階の教室へと向かう

「おはよう」

扉をあける
いつもなら私を貶すような声とクスクスという笑い声が聞こえるはず
なのに今日はいつもと違う
荒々しい男子と女子の声が聞こえる
それは私を虐めるときのような声

思わずその場に硬直する
だけど・・・必死になって体を動かして
自分の席に向かう
けど・・・・・・また体が硬直して次は座り込んでしまった

私は一人で戦うって決めたはずなのに・・・なんで?

なんで・・・・・紅雀君が虐められているの?

「お前、転校早々目立ってんじゃねぇよ!!」
「ちょっと容姿がいいからって先生に媚びうりやがってよぉ!!」
「そうそう!いい子ぶって日和なんか助けちゃって」

蹴られて、殴られて、水をかけられて
咽こんでいる紅雀君に関係なく暴力は止めない

何で 何故 おかしい 変 やめて
 だめ いやだ 怖い 悲しい 
助けたい 助けられない 動きたい 動かない
 止めたい 止められない 非力 非力
血 血? だめ やめて 助けて 怖い
ごめんなさい ごめんなさい ごめんなさい 

「ねぇ」

急にかけられた声
蓮君だ・・・・・私の幼馴染で
喜怒哀楽が無いようなクールな子

その幼馴染の蓮君が
怒ったような低い声。そして表情でこっちを見る

「助けないの・・・?」
「・・・・・」
「・・・・そう。いいの?」
「・・・・・・」
「・・・・もういい。君の考えていることは分からないな」

離れていく蓮君はとても悔しそうな顔をしていた

【救世主を助けたい】

(だけどそれは私には出来ない)
(こんな弱虫でごめんなさい)