大人オリジナル小説
- Re: 救世主は笑った((題名変えました ( No.24 )
- 日時: 2011/03/01 19:09
- 名前: 臨
〜10話〜SIDE SEIYA〜
あぁ、痛い、
風見さんよくこんなの毎日我慢できたな。
マジ痛い。
ぎぃと古臭い音が響く
屋上の端のフェンスにもたれかかると
ため息ひとつこぼす。
風見さんはぼーっとしていて
焦点はあってない。
「大丈夫?」
反応はない
ついにはしゅっと服が擦れ合う音がして
風見さんが崩れ落ちる。
「え?いや、ちょっ!?」
フェンスから無理やり体を起こし
風見さんの体をゆする
地面にしみができた。
風見さんの顔を覗き見ると涙を流していた
「え?怪我とかあった!?何か俺変なことしちゃった!?」
微かだが頭を横にふった
とりあえず、意識はあるようで、
頭を撫でてみると、次はひっくひっくとしゃくりあげながら
風見さんは泣き始める。
ますます意味がわからない。
でもほっておくわけにはいかない。
しばらく頭を撫でていると
風見さんが小さく何かを呟いた
「………ぃ」
「?…ゆっくり言ってみな?」
「……んなさい」
「…あぁ。大丈夫だから」
どうやら謝りたかったらしい
俺が勝手にしたことだから謝らなくていいのになー
そんなことを思いながら
風見さんの頭を撫でる
ちょっ、だから泣くなって!
「ごめんなさい」
「いや、え?心でも読めたっけ?」
「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい」
俺の言葉は華麗にスルーして
風見さんは謝り続ける
こういう場合はどうすればいいのかわからない。
とりあえず頭撫でとこう
【救世主、困る】
(謝ってる理由は?)
(わからない)
(泣いてる理由は?)
(わからない)
(俺、何かしたっけな)
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