――プロローグ――昼間の月がいつもより綺麗で、いつもより冷たく見える。『生きる事がルールだったら、自.殺はルール違反なのかな』あの子がたまに呟いていた、本当の色が分からない台詞。ベランダから空を見ながら、私はあの子を思い返す。「……じゃあ、」空を仰ぎながら、本当は青じゃない空みたいに。そう、"あの子"みたいに。「自.殺に失敗して生き残った人は、どんな立場に立つのかな」何色か分からない台詞を、呟く。