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「つってぇ〜；思いっきり蹴りやがったな。」

嬰砥は蹴られた顔面に手を当てて片目でこっちを見ていた

私はそっぽを向いて顔を赤くして言った

「ふ、ふん！アンタが私に…き、きすなんてするからよ！」

「別にいーじゃん。心配してくれないのか？」

「どこがよ！心配なんてするわけないじゃない！！」

嬰砥はちぇっと言う顔をした。私はもっとそっぽを向いた

「ん？」

嬰砥は不思議な顔をして、目を細めた

「何よ？」

「あれあれ。」

嬰砥は道路の脇沿いのある真っ黒の大きな車を指差した

「アレがどうしたのよ？」

嬰砥の顔を睨んだ。ただの車じゃないの。

「いや、ヤケにデケーなー…って」

「あら、そう」

あんなのうちでは当たり前だわ。でも本当に大きいわね。

しばらくの沈黙。誰かの視線を感じる…気のせい？

二人で一緒に角をまがった。瞬間！

ブゥゥゥン！

何！？

≪！！！！≫

さっきの車！！

バン！ドアが開き、黒ずくめの男３人！？これって…まさか…

グイッ。いきなり手をつかまれ車の中に入れられた。

「きゃ…！」

「！！　玲奈！」

玲奈は涙目で叫んだ

「え、嬰…！！【バタン！】

嬰砥はすぐに反応して飛びつこうとした。しかし、

飛びつこうとしようとした前に車のドアは勢いよくしまって……

ブゥゥゥン！

ものすごいスピードで道路を走って行った。

車は嬰砥の視界から消えて行く。どんどんと……

ついに、嬰砥の視界から消えてしまった。車も…玲奈も…

「玲…奈？」

嬰砥は床に膝をついた。

一瞬だった。玲奈の姿が嬰砥の前から消えてしまった。ほんの数秒で…

嬰砥の頬に涙が一粒…二粒…

「嘘…だろ？」

嬰砥は床に頭を付けた。

玲奈は…さらわれてしまった。


〜次の日の学校〜(優奈目線)


ザワザワザワザワザワ！！ザワザワ！

なんだろ？今日はすごくクラスが騒がしいなぁ

≪ねぇねぇ！聞いた！？玲奈様が誘拐されたって！≫

一人の女子の声が耳に入った。

え？何て？今何て言ったの？

≪あ！知ってる！有名な誘拐犯３人組にさらわれたんでしょ！？≫

嘘…？嘘だよね？

≪そうそう！で誘拐犯、身代金求めてるんでしょ！？確か…１千万！≫

嘘…本当に…玲奈様は…さらわれたの？

≪でもさー、玲奈様の家って超金持ちじゃん！１千万とか簡単でしょ！≫

嘘嘘嘘嘘…嘘だ。そんなことあるわけない。

その騒ぎをかき消したのは…

「あー！よかったぁー！玲奈が来ないなんて！」

シーン…

皆、あの子のところを見ている。驚きの目で

確か…転校生の爾湖瑠ちゃん？

「ちょっと……それってどういう意味よ…」

莉衣ちゃんが冷たい目で爾湖瑠ちゃんを睨みつける

「意味って！？私嬉しくてたまんない！！あははははは！！」

異常だ。爾湖瑠ちゃん、様子が違う。

「はぁ！？アンタ！また虐められたいの！？」

莉衣ちゃんが爾湖瑠ちゃんの胸倉をつかむ

「あははは！それはこっちのセリフ！玲奈がいなけりゃ何もできない！」

爾湖瑠ちゃんが言った瞬間、皆の背筋が凍った

「……っく！」

莉衣ちゃんはゆっくりと爾湖瑠ちゃんを下ろした

「きゃはははは！ほらねほらね！！」

すると、莉衣ちゃんはまた怒って

「コイツぅぅぅーーー！！」

爾湖瑠ちゃんを殴ろうとした。あ、あ、あ、！！

「やめて！！！！！」

私は無意識のうちの叫んでいた

皆が私の方に一斉に向いた

「優奈？何よ？アンタ文句があるの？」

！！！！

「そ、そ、それは…」