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「ね…」

「！！！　起きちゃった…」

乃愛ちゃんは人形を落とした

「私、玲奈。怖がらないで。」

「……っ」

ピンッとした張りつめた空気が流れる

そして、仰向けになり、乃愛ちゃんの顔を見た

「ねぇねぇ、お願いがあるの」

「……何ぃ？」

まだきつい目つきでにらむ乃愛ちゃん

「私を助けてくれない？」

すると、乃愛ちゃんはハッとした顔をした

「え…！ダメダメダメぇ！パパと約束したもん！」

やっぱり、「助けて」は無理ね…

じゃあ、コレでやってみようかしら

「そう…じゃあ、このガムテープを取って」

「え…でもぉ」

「あなたのお父さんは『ガムテープを取るな』なんて言ってないわ
つ・ま・り、別にいいってことよ」

すると、乃愛ちゃんパッと顔を明るくし

「そうだよねぇ。わかった！待ってねぇ…んしょ！」

ビリッ　痛っ！

やっぱりいたいのよね〜。

私はヒリヒリする口で言った

「じゃあ…次はロープをほどいて」

乃愛ちゃんは張り切って言った

「うん！いいよぉ！パパはいってないもん！」

と言って、腕のところに回ってほどき始めた

「そうよぉ〜、あなたのお父さんは何も言ってないわ〜＾＾」

ふふふ…小さい子供なんて簡単にのせられるわ。

そして、７分ほどたってやっと腕の縄が取れた

腕までヒリヒリする。どんだけ強く縛ってたのよ

腕が自由になったから足は自分でほどけるわ

ギュギュ。固い…　ギュギュ。ダメ…

腕の方は何とかとれたみたいだけど…

どうしましょ？

…………………あ、そうだわ

私には能力って言うのが付いてるもの。

ヨイショ。強く縄を引っ張るとシュルルルとほどけた

コレで自由ね。よし。

「ありがとう＾＾　それじゃあね…」

少し寂しそうな眼をしている乃愛ちゃんに手を振った

乃愛ちゃんは人形を持ったてないほうの反対側の手で「ばいばい…」

と言っていた。

ゆっくりとゆっくりとドアまで歩く、早くいかなきゃって思うけど

何故か足が進まない。

「…………っ！！！」

私は走って乃愛ちゃんのところに行き、

「行こう！乃愛ちゃん！！」

と言って、乃愛ちゃんの手を引っ張った

乃愛ちゃんは不思議に目をひらいていた

「乃愛ちゃん、よく聞いて、あなたのお父さんは犯罪者なの。
犯罪者って言うのはとっても悪い人なのよ」

「パパがぁ…？」

乃愛ちゃんは目に少し涙がたまっていた

「そう。だから、あなたの様な幼い子を犯罪者の所に置いていけい！！」

私は引っ張った。けど…

「嫌だぁ！」

ビクッ

乃愛ちゃんは私の手を反対にひっぱていた

「パパのところにいるぅ！！」

んもぉーう！！

「いい！？乃愛ちゃん！アナタ、今の自分の手を見て！」

乃愛ちゃんは自分の手を見た

「あ…」

乃愛ちゃんは私の手をがっちりとつかんでいた

「私の手をつかんでいたという事は、誰かがいないと不安なんでしょ！？
だけど！あなたの父さんはいつも、アナタを置いていってしまう！
そんな人と一緒にいて嬉しいの！？」

「そ…れはぁぁ…」

乃愛ちゃんは涙が目にたまってたまって…

「うわーん！！」

私に抱きついてきた。やっぱり…私も同じだったらさびしいもの

私は乃愛ちゃんの顔を見て言った

「乃愛ちゃん、私に付いてくる？私はあなたを絶対に普通の子にしてあげる」

乃愛ちゃんはコクと頷いた

私は乃愛ちゃんを抱いて、走った。

能力を使って走って走って走った

倉庫から出て、とにかく町に出た。何も知らない町。

だけどただ走り続けた。

私には…この子を救わなきゃ気が済まないの！！