大人オリジナル小説

Re: コスモス(感想頂けると喜びます♪) ( No.25 )
日時: 2011/07/21 19:11
名前: カノン
参照: http://ameblo.jp/kanon-burogu/

第8章――対立

『え?何それ…』
『橋本って田辺と仲いいんじゃ…』
彩香の一言で周りがざわつき始めた。

彩香と真純はあまり仲が良くなかった。
派手な女子のリーダー的存在である彩香にとって、真純のようなサバサバ系の女子は合わないのだろう。
6年生になってから特に、2人の仲は最悪の状態だった。

『ウチ、そんなことしてないよ?』
真純が反論する。
『なんでウチって思うわけ?仲が悪くて対立してばっかりだから?でもウチが沙希の上履きかくす必要ある?』
真純はだんだん腹が立ってきた。
いくらこんな関係だからって、言いがかりをつけられる筋はない。
『でもー…周りには仲がよさそうに振舞ってて実は…ってなこともないとは限らないじゃん。
それに犯人は真純だって決めつけた訳じゃないのに、何でそんなに怒ってるわけ?何か心当たりでもあるのかな?』
人を馬鹿にしたような話し方で彩香が言う。
『そんなことが起きるのはあんたのグループだけじゃない?』
そう言って、真純は教室へ戻っていった。
『へえ、逃げるの…』
彩香は勝ち誇ったような笑みを顔に浮かべてつぶやいた。
『とにかく、みんな教室に行きなさい。教室で話し合いをしましょう。』
先生の一言で6年1組の生徒がぞろぞろと教室へ戻っていく。
真犯人を知っている唯一の者――優衣は下を向いていた。
真純と顔があわないように。

『高崎さんとか、あとは…及川さんとか?』
『城山さんも怪しい…』
根拠や理由を求めるまっとうな意見は無視され、教室には彩香グループの女子たちの声が響き渡った。
クラスでも絶大な権力を握っている彩香たちのペースにクラスメイトは流されっぱなしだった。
真純のほかにも、おとなしい高崎愛,彩香グループと対立している及川真理奈と城山七海を筆頭に、
彩香グループにとって都合の悪い女子の名前が槍玉に挙がっていった。
『あとは…。』
彩香は意地の悪い目でクラスを見渡す。
『大森さん、そう大森優衣さんもあり得る。』

――続く