大人オリジナル小説

Re:        警 告 、 ( No.4 )
日時: 2011/05/05 00:54
名前: りな、 ◆GTkihklvkQ




02




 数日後、あたしは妙な胸騒ぎを感じた。
 何だろう、何かがおかしかった。
 でも心当たりなんてないから、
 普通に学校に行った。



  「 あ、小春おはよ! 」

  「 美月ちゃんおはよ。 」


 
 クラスメイトは、普通だった。
 皆といつもどおりのあいさつを交わす。



  「 小春、おはよ。今日も晴れるねぇ。 」

  「 おはよ、叶野さん。いい天気だよね 」



 もちろん、叶野さんだって普通。
 桜香さんも、美紅さんも。



  「 っていうか思ったんだけど、"愛依"でいいから 」

  「 え、でも… 」

  「 いーの! あたしがイイって言ったんだから。 」

  「 えー…。…うん、じゃあ愛依って呼ぶね 」

  「 桜香と美紅も…いいよね? 」

  「 ったりめーじゃん! 」

  「 ありがとう。」


 
 普通どころか、気分がいい日だった。
 叶野さん――愛依達は、許可をしない
 人には、名前では呼ばせないから。


 だからあたしが「愛依」とかって
 呼べる許可をもらえたのは
 すごく誇りな事だった。






 ― キーンコーン... 



 鐘が鳴り、学校が終わる。
 今日はお母さんもお父さんも
 帰宅が遅いって言うから、
 学校の図書室に残ることにした。



  「 あれ? 小春帰んないの? 」

  「 うん、親遅いから。 」

  「 そっか。小春も大変だね。じゃあね。」

  「 ばいばーい! 」



 愛依達に別れを告げて、
 あたしは荷物片手に
 図書室へ急いだ。


 ― ガラッ。


 誰もいない、夕陽の指す図書室。
 あたしは、一番奥の日当たりのいい席に
 静かに座った。

 
 …すごく、心地よい。


 そんなウトウトなあたしのところへ、



  「 …あれ? 綾瀬じゃね? 」



 誰かがやってきた。