大人オリジナル小説
- Re: 生きる希望を下さい ( No.14 )
- 日時: 2013/07/26 17:39
- 名前: 華世
♯2 鳥になりたい少女
息抜きのため、少し手を休めていた時だった。
ノックもせずに母親が入ってきた。
「千聖、この点数は何なの!?」
この間行った数学の中間テスト。それを私の目の前に突き出してきた。
「あ……」
その瞬間、私の体は凍りつく。
「96点なんて恥ずかしいじゃない…… どうしてくれるのよ!」
「ごめんなさい。私の勉強不足でした……」
仁王立ちした母親に向かって、私は泣きながら土下座をして謝った。
それでも許してくれる気配はなくて。
「だからあの時も落ちたのよ!」
そう言い放ち、私の頭をひと蹴りして部屋を出て行った。
母親が部屋を出て行った後も、しばらく頭を上げなかった。
悔しくて、悲しくて涙が止まらない。
でも今日は、頭を蹴られるだけで済んだ。私はそれだけでもマシな方だった。
人間はどうして平等ではないのだろう。
自由な身と不自由な身。何故こんなにも違うのだろうか。
いつもいつも、思っていた。
生まれ変わったら鳥になりたい。自由に羽ばたく鳥に。
私が死んでも、母親は悲しまないのではないか。
そんな馬鹿な事も考えてみる。
でも、もし死んでしまったら……
自分の存在は忘れられてしまうのか。
青空を見ながら思う14歳。
PR