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■□♯3■□


「ねぇ、涙」

「ん？」


この日は、不運に不運が重なった日。
鈴香の機嫌が悪かった。不運としか言いようがない。


「こうやってさ、裏でこそこそするのも嫌じゃない？」

「え、いや、別に」

「ねぇ、綾乃一緒に虐めようよ」

「え?」


何で、急に？
第一、私はそんなこと、できないよ。


「ほら、涙は強いから。綾乃くらい、虐められるでしょ？」


そんな、私、強くないよ。
開かない私の口。


「できないの？」

「……わかった、やる」


最近、鈴香がヤケになってる気がする。
虐めもエスカレートしれいるし、私を誘うし。

断れなかった。
弱いから。
怖かったから。


「じゃあ、明日。朝からやるよ。私の教室に来て」

「…………」

「分かった？」

「……はい」


だから、無理だって。
私には無理だ。
私には、怖くて無理だから。
何で？
何で誘うの？
何で……。


怖いよ。


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