大人オリジナル小説
- Re: 僕の手 ぐちゃぐちゃ ばいばい 皆 ( No.19 )
- 日時: 2011/05/21 12:17
- 名前: 玖龍 ◆7iyjK8Ih4Y
■□♯5
悪夢だ。
さめない、さめてほしいのに、さめてくれない悪夢。部屋の中でうずくまってすごす間は、悪夢としか言いようが無い。
手はぐちゃぐちゃだし、頭はぐらぐらするし、薬は切れるし。
僕が暴れた、僕の部屋。
カーテンは破れて、机はひっくり返り、本棚は壊れ、床はゴミくずだらけ。
僕は部屋の隅で立てたひざに青白い顔をうずめて、カタカタと震える。
扉の向こうから響いてくる、楓の声が不気味で。
怖くて、怖くて、怖くて、震える。
「ねぇ、大丈夫?……あの、ノートおいておくね……」
毎日、毎日繰り返す楓の声が、かすれてきて。
ほんとに、夢みたい。
毎日毎日琥珀がかかったような白い世界にいてさ。
朦朧とした毎日。夢みたい。
僕は、締め切った扉の中で二ヶ月をすごした。
いや、正確にはわからない。
時間感覚が狂って、あの最悪のひがつい昨日のような気がしてならないのだ。
その間、楓が毎日来てくれた。
それも、関係ない。
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