大人オリジナル小説
- Re: 僕の手 ぐちゃぐちゃ ばいばい 皆 ( No.4 )
- 日時: 2011/05/15 16:21
- 名前: 玖龍 ◆7iyjK8Ih4Y
- 参照: エルシャダイをクリアしてしまったが大丈夫か?
■□♯3
ああ、そうか。
見てたんだね。
「ねぇ、昨日の夜。茜雅君と何かしてたよね?」
ああ、そうか。
見てたんだね。
見られてたんだ。
「え…。えっと、アレはその…「認めた。ね、何やってたの?」
楓が、僕のぼろぼろの腕をつかんだ。
僕は動けない。
「お金。渡してたよね。一万円札、二枚。アレは何?」
「…………」
「あと、もらってた小瓶。あれ、すってたよね。アレは何?」
「…………」
「答えてよッ!!」
僕の右手をつかむ、楓の両手に力がこもる。
見慣れた、人通りの少ない通学路。
僕は何をやっているのだろう。
「……アレは……魔……薬――」
「麻薬?」
ほんの少し力の抜けた、楓の手。
動きが止まる。
灰色の空から、一粒、二粒と、涙が振ってきたころ。
楓の目からも、涙。
「何で……!?――じゃあ、その腕も、顔色も、全部麻薬のせい!?――茜雅君のせいなの?茜雅君が、羅唯に進めたの!!?」
「お、落ち着けって……」
後悔の渦が、楓の涙を巻き込んだ。
止められないんだ。
狂ったらもう、止められないんだ。
ごめんね、楓。
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