大人オリジナル小説

Re: 死に方を知らない君へ。  ( No.87 )
日時: 2014/02/06 22:24
名前: 杏香 ◆A0T.QzpsRU

 でも、私は……その"人形"になる事すらも出来ないんだ。
 所詮私は役立たず。このまま、ずっとこのまま……虐げられて生きていくのか。
――私を産んだ母親ですら、私を愛してはくれないのか。
 そう思うと何だか自分が惨めで、自然と涙が溢れた。
 どうしてこんなに悲しくなるんだろうなって、自分でも不思議に思う。その答えが欲しくて自問自答してみても、はっきりとした答えは出ないままで。心の中に空いた穴を、埋める事は出来なかった。
 だからかどうかは分からないけれど……辛くて、どうしようもなく悲しくて。泣いてる事がバレないように、声を殺して泣いていた。

 お母さんの、蔑むような目が私を睨みつける。
 ぽたぽたと零れ落ちる汚い雫を見て、お母さんはこう言った。
「何泣いてるの? 泣けば許してもらえるとでも思ってるんでしょ!」
――その言葉を聞いて、私の心には衝撃が走った。
 もう、慣れてるはずなのに……痛い。