大人オリジナル小説

Re: 茜色の空の下で交わした約束を私は思い出せない ( No.1 )
日時: 2011/07/05 17:33
名前: 彩御 憂羅

第1話「雑音(声)」

少しヒールのあるローファーが日に照らされ光り、滑り込む日差しに

目を伏せた。

重いからだは寝起きということをハッキリいっていた。

今日は雲ひとつない晴天。

快晴のほうが正しいのだろうか。

だが、快晴。快い 晴れ

いまの気分に合っていない文字が1つあった。

それに、ね。

晴天かと思えば家の後ろに雲ひとつ。

まだ6月。超梅雨の時期。

紫陽花のつぼみが目立つというのに

日差しが強すぎる

新しい日焼け止め買ったけど

半そでは7月からだし。

顔なんて髪の毛あるから平気。

濃い紫陽花より薄い紫陽花が好き

淡い色が好きだから

でもオレンジとかは、濃い色の方が好き。

絵具からそのまま出したようなオレンジの下に薄いオレンジ。

そのまた下の川にその空が映っていたら----それは綺麗だろう。

「約束・・・・・・・・・・・・かぁ。」


5時30分の合図。夕焼け小焼けが鳴る頃

約束を交わした

思い出せないけれど。

まぁ思い出したところで、なにも変わらない

こうやって下駄箱から上靴を取り出して、騒がしい教室に目を向ければ

そむけたくなるけれど

雑音の中に入っていけば自然と慣れて

親しい他人と話していれば

時間たつのも、うるさい雑音も、わからなくなる。

そして本当の自分も見失う

これがあたしの最初です