大人オリジナル小説
- Re: 怖い、怖い、でも好き ( No.23 )
- 日時: 2011/07/31 13:45
- 名前: 伶香 ◆J3qVnVGrWg
これで、イジメは終わったんだ。
廊下ですれ違うクラスメイトも、気軽に声をかけてくれた。
けど、もう、いい。
私は、学習室のみんながいてくれるだけでいい。
「来夏。どうだった」
「あ…!進藤先輩…!!」
あまりこなかった、進藤先輩が学習室にいた。
「ひっひっひ。私が呼んだのよ」
「峰松先輩」
「いや、かなが来た理由は、来夏のイジメが終わったって聞いたからで」
「そんなことのために…」
進藤先輩はニコニコと笑った。
「はーあ。私もね、最後のイジメが万引きだったなあ…。でも、来夏と同じように、友達に要求されたものをもらってさ、そいつにあげたんだよね」
「へーえ…ってそうですよね…。本気で万引きなんて、ガキがやることだもの」
ぽつ、とつぶやいた。そこで、進藤先輩の手が止まった。
「それで、今学習室にいないんだけど…。友達なんて信じることできない…」
すく、と先輩は立ち上がる。窓から風と花びらが吹く。
「…来夏ってさあ、女子依存症だよね」
「は?!」
「いや、芽衣歌と一緒にいるとき、顔が真っ赤だし…。レズ?」
「……は、はい…」
「そうだったのお!?来夏あ!」
うわ、みんなにばれた。
けれど、笑い合って、すごく、すっきりした気分だった。
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