大人オリジナル小説
- Re: 怖い、怖い、でも好き ( No.33 )
- 日時: 2011/08/04 09:22
- 名前: 伶香 ◆J3qVnVGrWg
「頼子ちゃん!ごめん、遅くなって」
今日は日曜日。タカヒコと会う日。
「…いいんです…。あ、一つ、謝ることがあって」
「え?何」
まず、ひとつめ、自分の本名を言う。
「…私、音野頼子じゃなくって、本名は…蒼井来夏なんです」
「来夏ちゃん…?」
「ごめんなさいっ!…その頼子っていう子に頼まれて、頼子のふりをしてたんです」
「…いやいや、いいんだよ。それじゃあしょうがないや。来夏ちゃんね」
成功。まあ、本当の事だから、成功しないと意味がない。
「じゃあ、どこに行く?」
「カラオケ…がいいな…、和佐原さんともカラオケ行くんでしょ?私も行きたい」
二つ目、強引に誘う。
「…うーん。じゃあしょうがないな。行こうか」
成功。これで、タカヒコが本当に歌がうまいのか、そして…お金をもらえるのか…。
うん、なかなかは上手い。普通に顔出ししない歌い手さんみたいな感じ。けれど感情は全く込められてはいなく、同じような声質。いくらバラードだろうがロックだろうが、同じ声質で飽きる声だ。
「ど、どうかな…」
「あっ…とってもお上手ですよ。私もなんか歌おうかなあ」
痛いアニソンを歌う私はいったいなんなんだろう…。
「今日は付き合ってくれてありがと。はい」
「へ?」
封筒を渡された。中をのぞけば、…5万円。
「どうして?」
「いやあ、そうしないといけないかなあ、なんて」
「ふふ、そう…それなら有難く」
お金ももらえた。これは欲しい財布があるからそれに使おう。
調査結果、美桜と一緒。
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