大人オリジナル小説

Re: 怖い、怖い、でも好き ( No.45 )
日時: 2011/08/09 17:23
名前: 伶香 ◆J3qVnVGrWg


「じゃあ、私はこの辺で」

志納先生が学習室を後にすると、資雄先輩はへたへたと腰を落とした。

「…はは、アイツね。…『するには、安全日って言うのがあるんだけど、その時なら、つけなくても大丈夫だから』って…他校の、小学校のころからの男友達に言って、無理やりさせられたんだ」
「…え?」
「ちょうどあの日は、危険な日だったの。でも、無理やり中絶されて…案の定妊娠。酷く恨んだわ。志納も、男友達も…」

志納や、男友達が悪いのに、親や、志納、男友達の親には、自分が悪い扱いを受けて、おろす費用も、親も、誰も払ってはくれず、自分の楽しみにとっておいたお金を全額使うことになってしまった。と資雄先輩は続けた。泣いて泣いて、しかもクラスではそのことが広まってて、いじめられて、今学習室にいる。と言ってた。

「じゃ、じゃあ、異質な空気でクラスにいないって言うのも…」
「嘘なんだ。担任は志納。あいつが通った教室なんか、入りたくもないからね」と苦笑いを浮かべた。

「…そうなんだよね。私がいないのも、その理由」
「松木先輩」
「…世良は私が妊娠した、って言っても、助けてくれて相談に乗ってくれた、唯一の友だちなんだ。だから、誘った」
「へえ…」

泣きそうになりながら話す資雄先輩を見て、自分も泣きそうになっていた。