大人オリジナル小説
- Re: 怖い、怖い、でも好き ( No.7 )
- 日時: 2011/07/24 21:31
- 名前: 伶香 ◆J3qVnVGrWg
6時限目は出なきゃいけないや。
過呼吸とか起きそうだけど、こらえなきゃ…。
─カラッ
小さく戸を開けた。
あまり人は気にしないようだから、静かに席に着いた。
ぼぉ、と黒板を見る。
「明るく楽しくみんなが仲間 1−4」
そんなの、今はなってない。
みんながみんな、仲間じゃない。
私が虐められる前は生野さんが虐められてた。生野さんは小さくて、私と気が合って、とっても仲良くしてた。
けど、委員長が生野さんをいじめてて…みんなでいじめてた。委員長が見ていないときにはちゃんと生野さんとかかわった。仲良くした。
けど…。
ある日を境に、生野さんは不登校になった。
その時、委員長は「蒼井さんて、生野と仲良くしてるんだよね」とぼそり、とつぶやいた。
それから私にターゲットが変わった。
毎日殴られて、机に落書き、上靴を濡らしたり、画鋲を靴箱にいれたり。生野さんがやられていたこと、全部やられた。
生野さんの気持ちが分かった。きっと、毎日泣いてたんだろうなって…。
「あー、蒼井が来てる」
「ふふ。本当」
「ここによく来たなら、料理してあげなくっちゃね」
とりまきに腕をつかまれ、委員長にはさみを向けられる。
「な、にするんですか…!!」
「みんなー、蒼井の制服切らない?」
「まあ、さすが委員長ですわ」
とりまきたちが委員長の後ろにつくと、はさみを構えた。
「やめて…!!」
ざく、ざくり、とスカートを切られる。
曲線を描いて切られるたび、コンプレックスの太ももが見えてくる。
「あ…!」
その時、友達の美桜が此方を見た。
助けて、美桜!!
「あ、美桜、あんたもやらない?」
「え…あ……う…ん」
美桜…!
美桜がはさみを構えて、私の太ももの方を向けてスカートへはさみを向けた。
ブチッ
「…っっ!!!」
痛みが走った。足の方をみたら、赤い血が足を滑っていた。
「きゃはは、美桜すごいわあ」
「はさみで足って切れるんだああ」
委員長たちはきゃっきゃと笑いだす。
くやしくて、泣きたくて、私は学習室の方へ走った。