大人オリジナル小説
- Re: カケラ ( No.17 )
- 日時: 2011/08/29 17:27
- 名前: 海月
―亜子視点―
あの先輩は…私たちが中学の時に成敗した…。
多分、皆も気づいてる…。俊介も、先輩の声を聞いた時微妙に反応していた。
同じ高校だったとは…気がつかなかった。
多分今頃環相手に啖呵切ってるんだろうなぁ…。もしも先輩たちが環を苛めるようなことをすればこっちは倍以上で返してあげるけどね。
…しかし、愛美があんなに環が連れて行かれたことで落ち込むとは思わなかった。
呼び出しなんて、中学の時何回もされて慣れたから私たちは何とも思わなかったんだけど…。
それだけ環が愛されている、っていう事なのかな。
…それにしても。あの心配の仕方は前にも見たことがある。前に何度か、中学生の時に。
未来…。アンタはもう私たちの横には居ないのにね。愛美が未来に見えて仕方ないんだ。
未来…本当のことを教えて…。
私はカーディガンのポケットの中に入っている携帯電話を取り出す。そしてフォルダに入っている、中学の入学式の時に皆で撮った写真を探す。
この写真を見ていると何故か落ち着く。それは私と、環に挟まれてピースをしている、榊 未来の存在が大きいんだと思う。
でも。
未来は、もう戻ってこない。
未来は苛められて、引っ越した。
未来が苛められたのは中学校2年生の時。未来だけクラスが離れていた。
環と皓我が1組で、私が2組。穣と俊介が3組で、亜子だけが5組だった。亜子はあのギャル…春菜ちゃんと同じクラスだった。
亜子は、クラスメイトとは仲がいい感じだったけど私たちに見せるような笑顔では無かった。
私も適当に友達作って、それなりに楽しくやってた時期だった。
亜子はいろいろなグループを転々としていて、いつも亜子と一緒にいる子が違かった。
これは亜子が亡くなった後に聞いた話だが、亜子はこの事が原因で苛められていた。
どこのグループに定まる、なんて亜子には決められなくて。
そんな些細な出来事で亜子は苛められるようになった。
亜子は上手く隠していて私たちは全然気がつかなかった。あの時気が付いていたら、と今になって後悔しているのは皆同じだと思う。
私たちを上手く騙した亜子でも両親にはバレてしまい、引っ越すことになってしまったのだ。
その後、連絡を取ろうとしても、携帯電話を解約していて電話番号やメールアドレスが分からないままだった。
そして、その日から私たちは変わった。
学校中の『悪』を成敗し、いつしか学校内最強といわれるほどになっていた。
…と、ここでチャイムが鳴り、授業は終了した。
あ、やば…。ノート何にも書いてないや…。
まぁいっか、皓我のやつ写せば。
To Be Continued…
おまけ
亜子→亜
皓我→皓
俊介→俊
亜「皓我ーノート写させてー」
皓「お前ノート取ってなかったのかよ!」
亜「うん。考え事してたら授業終わってた」
皓「馬鹿じゃねぇの?」
亜「ほらほら。ノート貸して貸して」
皓「……俺も、ノート取ってねぇんだよ」
亜「…はぁ!?アンタ授業中何してたの!?」
皓「あぁ?授業中に考え事してたお前に言われたくねーよ!」
亜「は?こっちは深刻な問題なんだよ!」
俊「…はぁ。二人とも五月蝿い。皓我は落ち着け。んで、亜子は俺のノート貸してやるから」
亜「マジで!?ありがとー!!」