大人オリジナル小説
- Re: カケラ ( No.24 )
- 日時: 2011/09/02 17:00
- 名前: 海月
一番この中で、核心に一番迫っていないのは亜子だと思う。
そんなメールが環から送られてきた。
一瞬何の事か分からなかったが、少しためらいはあったものの愛美のことだ、と確信した。
亜子は別に愛美と距離を置くような事はしなかった。
来る者拒まずな性格なのだ、亜子は。
正直、俊介は愛美と距離を置きすぎとまで考えていた。
俊介と愛美が二人っきりになると無言になるし、俊介は顔も合わせようともしない。
これでは愛美がかわいそうだ。
(…私は…普通に皆で仲好くなれれば、良いな、って思ったのに…)
亜子の瞳からは滴が零れ落ちている。
それは愛美に対する同情からなのか、それとも自分の仲間に対する怒りからなのかは、亜子には分からなかった。
分からないが、ただ、ひたすらに泣きたかった。
「……っ、…ふ………っ……」
静かに、声を押し殺して泣く。大声で泣き叫ぶなんてこと亜子はしたことが無かった。
どんなに悲しくても、みっともなく大声で泣くなんてことを亜子はしなかった。
(環……私、環に付いていっても良いんだよね……?)
不安で心が押し殺されそうだった。
環は本当に自分を必要としているのか…。
もしかしたらすぐに飽きられてしまうのではないか…。
環は自分の事を裏切るつもりではないか…。
考えれば考えるほど嫌な感情が浮かぶ。
(もう、嫌…!!!)
(最近、環が何を考えてるのか分かんないよ…!)
長年の友情にも、大きな溝が存在していた―――
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