大人オリジナル小説

Re: カケラ ( No.5 )
日時: 2011/08/29 17:23
名前: 海月

「皓我おっそい!」

男――もとい皓我を呼び出したのは亜子だった。

「ごめんって。女の子のお話の相手してたんだよ」

「え、なにお前。お前そんなにタラシだったっけ…?」

「ちげーよ」

やはり小学校からの腐れ縁の皓我と亜子。息ピッタリだ。

環、亜子、穣、皓我と、あともう2人は小学校からの仲なのだ。

その中で亜子と皓我は唯一の幼稚園からの仲だった。

「あれ、でも亜子の言うこともわかるよ?皓我ってタラシじゃなかったよね。っていうかタラシは穣だけで十分」

穣は誰がどう見ても生粋のタラシだった。街に出れば可愛い子に声をかけ、フラれる。

こうしたやり取りを環たちは何百回と見てきた。

「俺と穣を一緒にすんな!」

皓我も穣と一緒にされるのは嫌らしい。かなりの拒絶反応を起こしている。

「ひっどくなーい?こ・う・が・くん?」

後ろから声が聞こえた。この声は、そう。今さっき話題になった穣だった。

「わぁー穣くんオハヨー。今一番アイタクナカッタナー」

見事な皓我の棒読み。

亜子は笑いを耐えられないらしく、太ももをバンバン叩きながら声を殺して笑っている。

環も、口元を右手で押さえながら笑っている。

「あははー。俺も皓我と一緒にされるのは嫌だなー」

「俺も一緒にされるのは嫌、っつか女子2名!お前ら笑いすぎだろ!」

びしっと、右手の人差し指を亜子と環に向ける。

「っはは、指差しちゃ、あはは、いけ、ないんだぁははは」

「笑うか注意するかどっちかにしろっ」

結局その後も笑い続ける2人だった。


To Be Continued…