大人オリジナル小説

Re: カケラ ( No.8 )
日時: 2011/08/29 17:24
名前: 海月
参照: http://www.kaki-kaki.com/bbs_m/view.html?681254

 教室に入ると、知らない顔だらけだった。

ここ近辺の中学校、7校の卒業生でクラスが分かれるのだから当たり前だ。環は出席番号1番なので廊下側の一番前の席になる。

環は素早く席に鞄を置く。隣はどうやら穣が隣のようだった。

「ちっ…穣かよ…」

「えっ!?環酷くない!?」

「酷くない酷くない」

どうやら口論しているようだ。




「…何あそこ。初っ端からうるさ」

亜子は溜息をつきながら席に座った。

亜子の隣は違う中学出身の女子だった。綺麗な黒髪が特徴的だった。…が、顔は確認できない。

初日から眠いのか顔を伏せている。

「…個性的?」

顔を捻る亜子だった。



「お。亜子後ろじゃん」

と、皓我が振り返った。

亜子は気が付かなかったが、亜子は皓我の後ろの席だった。

「あ。皓我か。よろしくー」

「おう。……環と穣は隣にしちゃいけなかったかなぁ…」

しみじみと皓我がつぶやく。それに亜子が静かに頷いていた。

「なーに言ってんの?」

皓我に穣が、亜子に環が乗っかる。亜子は「ぐえっ」と奇声を発している。

「おーい。お前ら、下の奴が死ぬぞ」

冷静につっこむのは俊介。片手には難しそうな経済系の小説。

「あ。俊介じゃん!」

と瞳をキラキラさせて言うのは環。俊介と環は勉学で互いに競い合っている。

同じクラスになれてうれしいのはお互いだった。

「…環。よろしくな」

「うん。よろし「うん、環。ほのぼのはいいから、いい加減亜子が死ぬ」

皓我の言葉で冷静になって下を見てみると、環の下には屍に成り果てた亜子の姿が。

「ああああ!亜子、ごめんっ!」

急いで退くも、亜子は起き上がらない。

「えええ、ちょ、亜子、ごめんって!」

環が急いで謝ると、亜子はゆっくり体を起こし、

「…顔打った…痛い」

と小声で言った。

「…亜子、相変わらず馬鹿だな」

俊介のキツイ一言。実際に亜子は勉強で俊介及び環に勝ったことはない。

だからと言って成績が悪い訳ではなく、むしろ良いほうに入る。だが俊介には勝てないのだ。

「…馬鹿って言うほうが、馬鹿なんだよ」

「何それ、小学生?」

亜子の言葉に環があはは、と笑う。すると、

「あっれー?環じゃん!」



(この声、は)



To Be Continued…