大人オリジナル小説

Re: 生きていて何が悪い!!〜参照500きたぁ!〜 ( No.106 )
日時: 2011/11/02 19:55
名前: 愛歌 ◆mkSlAKVcCY


ザァァァ…

明るくて眩しい空は全部全部透き通っていた

カーテンは揺れる。病室は涼しくなる

私はベッドで本を読んでいた

私が同じ病室の子に勧められた本。

【涙恋と赤い糸】

っていう本。(この本は作者の適当名前です。現実にはありません)

主人公の「紗紅良ちゃん」がとっても可愛い。

ちょっと控え目な女の子で頭がいいのがちょっとツボるw

だけど紗紅良ちゃんは同じクラスの亜柚に虐められてる

だけど、紗紅良ちゃんには好きな男の子がいる

その男の子の名前が……啓助。

慶介くんと同じ名前……

啓助君には女の子の親友がいる…その子の名前は…麻美

私と同じ名前だぁ……

その啓助くんは紗紅良ちゃんの事が好き

で、亜柚も啓助くんの事が好き

紗紅良ちゃんも啓助くんが好き

この三角関係が何とも言えないうきうき度をあげる

亜柚は紗紅良ちゃんが大嫌い

紗紅良ちゃんも亜柚が大嫌い

それに好きな人も一緒

これもわくわくする

実は…最初は3人は個別だったんだけど

ある日!啓助くんが紗紅良に告白!

その時のシーンの紗紅良の心境が超きゅんきゅんする!

でも、亜柚はそのことを知らず。

で、亜柚が啓助くんに付き合ってくれたらいじめをやめる

って言う事を言いだして啓助くんがしかたなく亜柚と付き合う

それを知った紗紅良の可哀そうな日々がちょっと涙が出そう

で、いじめはぴったりと止まったけれど紗紅良は涙が出る毎日

啓助は本当に紗紅良の事が好きで実は亜柚と付き合ってからある作戦を

考えていた。その作戦は、また紗紅良と恋人関係に戻りそして紗紅良への

いじめは二度とさせないという凄い作戦!

その作戦は…失敗に及んだ

紗紅良は実は裏でまだ亜柚にいじめられていたのだ!

そして…紗紅良は耐え切れなくなり…………

まだ啓助ともよりを戻してないのに、いじめから勝ってないのに…

学校の屋上から飛び降りて自殺した。

そのショックで亜柚も自殺した

そして…教室の人数もガラリと減った

コレがものすごく悲しい。もう涙が出そうだった

やっぱり、この作品はすごいなぁ…

私は必死に文に目を通していた

もうちょっとでクライマックス

必死に読み続けていた

ッと言うか、止まらなかった…って言おうかな?




(こっからちょっと小説に入りますね)

―――――――――――――――――――――
〜最終章〜

桜が舞い散る季節は暖かくて涼しい

あの日から教室は何も変わっていない

俺ももうそろそろ卒業だ

今、校門の前で親友の麻美を待っている所

俺はふと、校庭にある一番大きな桜の木があった

その気から散るピンク色の桜の花びらが綺麗だった

紗紅良……ごめんな…?

桜を見るたび紗紅良を思い出す

俺が…亜柚と付き合ったから…

亜柚も、今はここにはいねぇけどな…

俺は、お前がまだ虐められてること知らなかった



苦しくて悲しかった

お前が自殺したなんて認めたくなかった

俺も一緒に天国に行こうかと思った

台所の包丁を持ってきて自分をさそうとした

すると、いきなり家のドアを開けて麻美が入ってきて

台所で包丁を持っている俺の姿を見るなり必死に俺に『やめて!やめて!』

って叫んでた。声がかれるんじゃないかと思うほど叫んでいた

それほど、あいつは俺の事を思ってくれていたことに気が付いた

俺が何回も『やめてくれ!紗紅良の所に行かせてくれぇ!』って

叫んだら、麻美の動きが一瞬止まってその後麻美に頬をひっぱたかられた

そしたら麻美は

『啓助のバカ!!紗紅良はアンタの事を愛してるからアンタにフラれて
 ショックを受けて死んじゃったんだよ!?なのにそんなんで自分も
 行こうとしてるなんて恥ずかしいと思わないの!?紗紅良は…!
 アンタの事が大好きだから!それほどあんたの事を思ってくれてるから!!
 屋上から飛び降りたんだよ!!!!』


麻美の目からは大量の涙があふれ出ていて顔も真っ赤だった

その時俺が気が付いた

麻美も、俺の事を思ってくれてるんだって…

紗紅良…お前…俺の事を思ってくれてたのか?

愛してくれていたのか?大事にしてくれていたのか…?

俺の頭の中に紗紅良の笑顔が浮かんできた

『啓助!大好きだよ!』

そう言って紗紅良は笑った。俺も笑った


『啓助…ありがとね!!』


紗紅良の声が、俺の頭の中に響き渡る

そして笑い声……

俺の顔からは涙があふれ出てきた

何粒も…何粒も……

その時、校庭の桜の木がザァァァ…と揺れた

俺は後ろを振り向いた。

校庭の桜の木が、桜が笑っているように見えた。紗紅良と一緒に…

校庭の桜はどうしてこんなにきれいなのだろうか…?

俺の紗紅良と同じくらい綺麗だな……



紗紅良……

お前は、俺の事を思ってくれてたんだな…

お前のようなやつを彼女にできてうれしかった

勉強も良く教えてもらった。良く一緒にデートに行った

おそろいのストラップも買ったなぁ

いっつもいっつも、俺を大切にしてくれたなぁ…

あのときの時間は…美しかった

ありがとうな…紗紅良……



















        本当にありがとう。紗紅良……





――君はどんな桜よりもきれいです――
          


                 END

―――――――――――――――――――――


「ふぅ…やっと読み終わった」

私は分厚い小説をゆっくりと閉じた

バッドエンドなのか…ハッピーエンドなのか…

でも!めっちゃ面白かった


「いじめねぇ…」

私はホンを膝に置き、窓を見て小さくつぶやいた