大人オリジナル小説

Re: *ASKA* ( No.119 )
日時: 2011/11/11 17:52
名前: 愛歌 ◆mkSlAKVcCY

〜真海目線レツゴー〜


真っ白な空間。

薄れゆく私の意識。白くなっていく視界。

体が重くて痛い。私の体の所々から血が出ていた。

生々しい傷。頭からも血が流れて頬を赤く染め、首へと流れて行く。

「はぁ…はぁ…………」

私は、ただ座っていた。

何も言わず、ただ息をしたいた。

力尽きて…もう体も動かなくて……

魔海は銃を手元から消すと私のもとへと歩いてきた。

コツコツと、ヒール音が響く。

そして、私のおでこに靴の裏をつきつけた。

「アンタも弱いわね。まだまだよ。こんな女が私の第一の自分だなんて」

「は…ぁ…はぁ……まだ……いける…………」

私が小さくつぶやくと、魔海は眉を動かし、私のお腹を勢いよく蹴った

ドガッ!

痛々しい音が、私のお腹を痛みと共に襲う。

「うぐっ……」

私は口から血を吐いた。そして倒れた。

「バカね。アンタ、普通の人間なのに、私に勝てるわけないでしょ?
 しかも、死にかけだし。早く倒れたほうがいいんじゃない?」

「う…ぐぅ…あ…」

「私もね、こんな事したくないのよ。だって死なせたら、アンタの存在が
 この世から消えるでしょ?そしたらアンタが死んだ瞬間、私の存在も
 消えちゃうのよ。せっかくこんな良い体をもらったのに、もったいないじゃない。」

はぁ……はぁ…………

私がぐったりと倒れていると、魔海は私のおでこに銃を突きつけた

ガチャリ。

真っ黒で大きな銃が私の視点を一定にする。

魔海は目を細めた。

「だからね、さっさと、この空間から消えてもらわなきゃいけないのよ」

そう言って、少しずつ指を引き始めた。

え……?

消え…る……?

「ほら?よくあるじゃない??夢でも。夢の中でも自分が死んだら
 目が覚めるって言うヤツ。アレと一緒よ。一緒。」

「え……?じ…ゃあ、ここは……ゆ、めぇ………?」

「さぁね、そんなの私にもわからないわ。ただ、リンにワープさせられた
 だけだもの。まったく……めんどくさいわ。」

そう言って髪の毛を耳にかけた。

キラキラと黄色の髪が光る。魔海の口はどんどんと笑っていった。


私…死んじゃうんだ……殺されるんだ……

はぁ……なんか自分と瓜二つのヒトに殺されるって言うのも変な気分…

でも……これ…も不思議体験だよね…………ははは…

すると、ふと私の頭の中にリンちゃんが浮かんだ

そういえば……リンちゃんが良く話に出てたなぁ…………

リンちゃんって変な子だな……かわい……いけど……

前は姿を消したし……魔海と何かかかわりがあるらしいし…………

謎が多すぎるし……秋で寒かったのに袖なし服装だし……

リンちゃんはいったい何も……「さよなら。私★」


魔海が小さくつぶやいて……黒い笑みで笑った。

バン……!

















〜☆★〜

「う…あ…うう…いや…ああ…あ…!いやぁぁぁ!!」

カバッ!

私は起き上がった。真っ白な部屋。クリーム色のカーテン

清潔そうなパイプベッド。大きな窓は風を通している。

え……?

すると、私の目の前に私専属の看護師さんが病室に入ってきた

「真海ちゃん!」

そして、私に抱きついた。

ギュッ!

え・え・え・えええ??

「真海ちゃん…!よかった…!」

看護師さんは涙目で「よかった…よかったよぉ!」

そう言って私を抱きしめる。

「病……室?なんで…?私、白い空間にいたんじゃ……」

すると、看護師さんは「え?」って言う顔をして、私から離れた。

「何言っているの?真海ちゃんはずっと病室で寝ていたわよ?」

「え……?」

「覚えてないの?真海ちゃん、大きな頭痛をおこして倒れちゃったのよ…
 それで三日間もずっと眠ったままだったのよ?
 治療も手いっぱいで…みんな心配してたんだから!!」

え?あ、そうなの??

そんなにみんな心配してたの?

何で…?どうして…?私は気絶したの?

大きな頭痛…?大きな…?頭痛……?

「頭痛の原因もまだ不明なの。なんででしょうねぇ〜…?でもまぁ、
 真海ちゃんが無事で何よりよ!本当によかったわぁ!」

そう言って看護師さんは「先生に報告に行かなくちゃ!」と言って

病室を出て行った。

あ。行っちゃった。

「う〜ん?う〜〜ん?う〜〜〜ん?何だったけなぁ?」

私は、考え込んだ。頭を絞って考えた。

大きな頭痛……?大きな頭痛…………?大きな頭痛………………?

すると、私の頭の中に、私が頭痛で苦しんでいる姿が思い浮かんだ。

そして、看護師さん達が入ってきて……そこで、リンちゃんが見えて…

そのあと、意識を失った。


「あーーーーーーーー!!!!!!」


真海の大きな声が病院中に響き渡った。