大人オリジナル小説
- Re: *BLACKring*〜深まる謎〜 ( No.127 )
- 日時: 2011/11/22 17:51
- 名前: 愛歌 ◆mkSlAKVcCY
- 参照: http://www.youtube.com/watch?NR=1&v=nr-ToKYORao
(↑の参照はついにきたぜ!真海のイメソン☆)
あの大風の吹いた日から1か月がたった。
もう病室にはだれも見舞いには来てくれない。
ただくるのは看護師さんと掃除屋さんだけ。
暇で暇でしょうがない毎日。記憶を失って穴が開く心。
もう体は痛くはないけど親も来てくれないこの心の痛み。
っていうか、私におやっていたのかな??
全く来てくれないから悲しくて悲しくてしょうがない。
すると、コンコンとドアがノックされた。
「ま、みちゃん…?い、る…?」
震えた声がドアの向こうから聞こえてきた
いっつも聞きなれている優しい声。
「看護師さん…?」
私専属の看護師さん。
何か…声が震えてる?どうしたのかな…?
すると、返事も無しにドアが開いた。
カチャリ…
白色のスライド式のドアがゆっくり開いた。
なに…?
暗い顔の看護師さんの隣には、優しい顔をした女の人と男の人。
女の人は、とても美しくて優しい顔。今にも美人って感じ。
男に人は、少し奥深く、若い顔がとてもバランスが良い。
二人とも、カバンなどがブランド。女の人の髪飾りは金で作られた花。
まさにお金持ち……すごい。
でもいったいどうしてこんな人が?もしかしてこの人も…?
私は…この人達も忘れてしまったの?
男の人と女の人は、優しく微笑んで二人で小さく私を見て、話し出した。
看護師さんは頑張って笑顔を作り、こういった
「真海ちゃん、おはよう。今日はね…真海ちゃんにとっては
ものすごく大切な話があるの。」
「大切な話…?」
「そうよ。聞いてくれる…?」
「は、はい…」
看護師さんは、男の人と女の人を紹介した。
「このおふたがたは、星城 彰人様と彰人さまの妻、星城 麻那未様。
彰人さまは、とても有名な星城グループの社長様なのよ。」
男の人と女の人は優しい笑顔で私にほほ笑んだ。
ふーん…やっぱり本当にお金持ち。
看護師さんは私の頭をなでて言った。
「それでね…真海ちゃん、あなたに大切な報告があるの。」
「??」
看護師さんは私から離れて大きく息を吸い……
「真海ちゃん、今日からあなたはこの彰人さまと
麻那未様の娘になるのよ。よかったわねぇ。」
そう言って無理に笑った。
え……?
娘になる…??この人達の……?
私の体に風が突き抜けて行くような感覚がした。
嘘でしょ……?
看護師さんは「それだけよ。」と言って一歩下がった。
「え…え……?」
彰人さんと麻那未さんは前に出て、私の頭をなでた。手が暖かい。
「いい。いい。別に急に整理しなくてもいいからね。
今、混乱してるんだろう?無理もないよ。」
違う…混乱してるんじゃない……
私は目の奥が熱くなってきた。
麻那未さんは優しく笑って言った。
「そうですわ。私だってそうですもの。急にそんなこと言われても
何も考えられないわよねぇ。わかりますわ。」
「あ…あ…」
声が出にくい…息がしにくい……
私の頭の中には、ただただ、ぐるぐると何かが回っているだけ。
二人の声など耳に届かない。
そのほか、まだ二人は何か言っていたけど何も聞きとれない。
フニャフニャと言う感じでしか聞こえない。
「こんなに可愛い子が、うちの娘になるなんて…」「そうですわ……」
あ…ああ…あああああ…………
苦しい。目が回る。何もかもがわからない。
涙が出る。熱い。視界も白くなっていく。
「くっぁ…ううあ……」
やっと出てきた声。喉を絞って出した声。
その声に彰人さんは気が付いた
「ど、どうしたんだい?大丈夫か…?」
「ああ…!うあ…!!」
私の体が重くなっていき、呼吸がハァハァ……と荒くなる。
看護師さんも麻那未さんも「大丈夫!?しっかりして!!」
そう言って私の肩を揺さぶる。背中をさする。
ああ…ああああああああ…………
心に開いた穴がどんどんと闇になっていき、広がっていく。
視界が白くなっていく。
死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ…………!!
死んじゃうよ…………!!!!!
「あああ…!く、るしい……!死んじゃ……う……!!ハァハァ……!」
体が熱くなる……喉が縛り付けられる……!
「大丈夫か!?早く!誰か医師を呼んできてくれ!!!」
「あ、はい!わかりました!」
看護師さんは、猛特急で病室を出て言った。
「大丈夫か!?」「真海ちゃん!しっかりして!」
二人の声が交互に耳に入ってきてぐちゃぐちゃに混ざる
「……〜〜〜…!〜〜!」「〜〜〜……〜〜…………!!」
声が聞こえなくなってきた…
フニャフニャにまざって、頭に入りこむ。
ぐぅあああああ!!
すると、また私はふとドア越しに目が入った。
苦しい息の中で視界もぼやけていく。
そこには、薄紫色の髪の毛を持つ少女がぽつんと立っていた
リンちゃんと同じ服装……
その子はニッと口を笑わせて小さくつぶやいた
「もう消えちゃうの…………?」
その声は誰かにとても似ていた。