大人オリジナル小説

Re: *BLACKring*〜深まる謎〜 ( No.128 )
日時: 2011/11/18 17:29
名前: 愛歌 ◆mkSlAKVcCY
参照: http://www.youtube.com/watch?v=2Tjruav9U3c&feature=related

〜白莉目線〜 (↑上のは白莉のイメソンです…血はちょっと出てきます
       銃音にビビる。殺し系が苦手な人は見なくてもいいです…)


あたしは、好きな音楽が聞こえるヘッドフォンを耳からゆっくりとって

青くてきれいな空を見た。白い雲がゆっくりと流れる。

風が吹く。スカートがひらひらとゆれる。

早く学校終わって欲しいな……

そう思ってあくびをして背伸びをした。

何気なく空にフワフワと飛ぶ白い雲を見つめていた。

あ、何アレ。小さな人型の雲、はっけ……

「!!!!!!」

あたしの体中に衝撃が走った。

持っていたヘッドフォンを手から落とした。

パタ…

ワンバウンドして屋上の床に転がった。

え…嘘……

青い空のはるか向こうになにか見えた。

あたしの目はその【なにか】を心の奥では否定しながら見つめていた。

「ゆ……遊雄……?」

私の大切な弟……遊雄の姿が一瞬見えた。

白くてぼやぼやしていた。空のはるか上に立っていた。

白くてまるで雪のように白い肌。

そして、あたしと同じ、白くてキラキラとした髪が揺れている

ちょっと大きめのシンプルな白いTシャツに白いズボン。

シャツとズボンが風でひらひらと揺れていた。

こっちには気がつかなくて目の前を見つめていた。

ニッコリと笑って、目は髪の毛で見えなかった。

「え……?何アレ…?」

あたしは、目をこすった。

ヤバイ…寝不足?それとも麻薬のやり過ぎかな…?

あたしは目が痛くなるぐらいこすって上を見上げた

チカチカと少し痛む目には、何もないまっさらな空が映っていた

そこには遊雄の姿はなかった。

「や…ぱりね……」

私は小さくつぶやいた。

だって、遊雄は死んじゃったから……

あたしが…殺してしまった。

あたしには愛する弟がいた。とってもいい子でよく笑ってヒトとすぐに

仲良くなる素直な子だった。

いつもあたしのことを「おねぇちゃん!おねぇちゃん!」と

呼んでいてくれていた。

いつもヤンキーがらみで血だらけになって帰ってくるあたしにとっては

大切な大切な存在だった。たとえどんな姿でも「おねぇちゃん」と

あたしに抱きついてくれた。

父親と母親はあたし達を捨てた。あたしがヤンキーとからみ始めたのは

父親と母親のせい。あたし達の家は崩壊寸前で

母親はいつも知らない男と毎日夜寝ていて、

父親は働かずお金を使い放題。

そして、毎日毎日母親はストレス発散にあたし達に暴力を振っていた

父親は帰ってこない日が毎日だった。

あたしはどうでもいい。でも大切な遊雄を傷つけるのは絶対に許さない。

あたしは決心した。家を出て言ってやると。

でもまだ中学生だったからお金も稼げない。しょうがないからあたしは

入りたくない黒の世界に入り込んだ。遊雄のために……

そこからどんどんと黒の世界にのまれていき、

麻薬を売ったりしていた。孤独と警察と戦っている毎日だった

そんな時、私にある女組が手を差し伸べてくれた

そしてあたしはその有名な女組に入った。

でもあたしは騙されていたことを知らなかった。

その組は私の目を盗んで黒の世界にあまり入り込んでいない遊雄に手を出した。

そして…………

遊雄は殺された。あたしのせいで……

遊雄人質に取られたから、あたしは遊雄を助ける方法を望んだ

すると「弟を返すから一つ条件がある」と言われた。

その条件は…………「大勢分の麻薬を用意する事」……

元はあたしが麻薬を売っていた事をその組の奴らは知っていた

だから麻薬を買っていた場所からもう一度仕入れてこい

という条件だった。あたしは遊雄を助けるためなら何でもした。

たとえどんな傷だらけでもがむしゃらで麻薬を手に入れた

しかし…………あたしが渡しに行った時には……………………





『ゆ…………お……………?』





あたしは力を失い、ひざをついた。

そして、一粒涙が頬に流れた。

あたしは涙を流した。必死に泣き叫んだ。

結局、あたしは許せなくてそいつらを殺した。全員。

後悔なんてしていない。あたしは正しい事をした。

今は、上手くやって、自分のやった罪を隠している。

それに、新しい両親にも大切にされている。

自分の罪を隠すためにかかった布……

この布がいつまで続くかはわからないけど……

遊雄……あたしも一緒のところに行きたいよ……

天国はどんな所……?ごめんね。あたしのせいで離れてしまったね…

遊雄……会いたいよ…………


遊雄の姿が消えた空はなぜか、雲もなくなっていた