大人オリジナル小説
- Re: 〜〜*私達の戦争*〜〜 ( No.156 )
- 日時: 2011/12/11 18:14
- 名前: 菜々希 奈菜 ◆mkSlAKVcCY
- 参照: ――名前を変えても中身は変わらない!――
(???目線)
ピッピ……ピッピ……ピッピ…………
病院の機械は、緑の線がゆっくりと揺れながら音を鳴らす。
暗い病室の中で俺は足音もたてず、ゆっくりと優華に近づく。
目の前に眠る優華は顔色も回復していて、体中に包帯が巻かれている
いい夢を見ているのか、良くわからない。口がニヤけていた
あと数カ月で退院できそうな早い回復で魔人か。と言うツッコミがある
だけど、誰も望んでいない回復。だれ一人…のぞみやしない。
その願いを今俺がかなえてやる。真海を傷つけた罪と、
人々を地獄に落とした罪は……どんな事をしても返せないのだ。
選択肢は、ただ一つ…………
「死」
俺は手袋をはめ、ゆっくり、優華の首を両手で軽くつかんだ。
優華は首に違和感を感じたのかすこしうなった。
許さない…その一言だけで、俺は「死」を実行に移す。
大きく息を吸い込み、ゆっくり手に力を入れはじめた。
優華は少し動きだし、足を動かす。
ドクドクとなる心臓、本当にこれを実行してもいいのか…?
別にいい。真海にした事、クラスの奴らにした事、
全てコイツが悪いのに変わりはない。過去は変えられないんだ
ギリギリ…と音が俺の手からなり始めると
優華は汗をだらだらとかき、体中で暴れまわった
何かつっかえるような言葉で俺に訴える。
だけど俺の手は止まらずどんどんと力強く絞め続ける
ギリッと俺の歯から聞こえて、力が強くなっていく。
優華は俺の手をつかんで、離そうとしていた。
俺はもっともっと力を強くした。
機械が大きな音だし、まるで暴れているようだった。
音はどんどんと勢いを増し、音の大きさも増す。
優華の目が少しだけ開いた。
俺はそれを見た瞬間、目が開いた。
俺の手はもうコントロールが利かなくなり、予想以上の力が増す。
目に涙がたまり、口では「早く死ね…!死んでくれ…!」と無意識に出る
歯を食いしばって、全体重を腕に込める
優華の動きがどんどんとどんどんと鈍くなっていく。
とどめをさしてしまった。おれはとどめをさしてしまった。
そう思った瞬間、
機械の音も速さもどんどんと小さくなっていき、遅くなる。
もう優華は死ぬ。もうすぐ俺は犯罪者となる。
そう心の中で感じた瞬間、
優華は一瞬、力がこもった反抗した気がした。
それは一秒もたたず、一瞬の一瞬の出来事だった。
優華の口がかすかに苦しそうに動き、とてもか細い声で言った。
「ゴ…………メ…………ン………………ネ…………………………」
「!!!!!」
そのあと、優華の口はとまって、首の力がなくなった。
機械の音は小さくなっていき、線もどんどんと下へと下がる。
ピッ…ピッ……ピッ……ピッ……ピッ……ピッ…………
ピーーーーーーーーーーーー。
大きな音が病室に響き、機械をゆっくりと見ると緑の線は
【真っ直ぐになっていた】
俺の手の力がいっきに抜けて、俺は床に膝を付く。
優華の反抗していた手がゆっくりとベッドから、力をなくし、たれた。
口も動かず、体も全く動かなかった。
息もしていなくて、脈も止まっていた。
優華の体はどんどんと熱を失い、冷たくなっていく。
これが一瞬で理解して、息が苦しくなった瞬間、
俺の目は視界が真っ白になった。
優華は死んだ。そして俺は犯罪者になった。
良くわからない。良く理解できない。この偽りの現実が……
俺は小さくか細く呟くと、急いで真っ黒なコートのフードをかぶり
病室から走って逃げた。
歯を食いしばって、とにかく全力疾走をした。
もう未来には進むことはできない。
一生、「偽り・罪・罰」にひたらなきゃいけないんだ。
それが現実で、空想なんだ。
力が入らない足、嘘の俺。
優華はもうこの世にいなくなったんだ。
【優華がこの世界に戻ることはもうない。あいつも一つの
「偽り」
「嘘」だったんだ。
俺の進む道は、悪夢しかない。】