大人オリジナル小説

Re: 〜〜*私達の戦争*〜〜 ( No.44 )
日時: 2012/02/14 15:54
名前: 愛歌 ◆mkSlAKVcCY

*〈手をかそうか?〉*

「はぁはぁ…」

私はただひたすら走った。

息が切れながらもわけもわからず走った。

詩織たちの声が頭によぎる。

私を呼び止める声がまだ頭でぐるぐると回る。

何がどうでああなのかわからない。

「あ…!」

私は豪快に前からこけた。

ドサッ!

体に痛みが走る。

私は力をほとんど失ってしまい、そこで倒れてしまった。

起き上がろうとしても力がぜんぜん入らない。

体が強く震えて、まったく力が出ない。

「はぁ…はぁ…」

次第にどんどんとまぶたが重くなっていく。

目の前が白く薄れていって、息がしにくい。

ああ、私また倒れるんだ。

何回倒れるんだろう。なんかしんどい。気持ち悪い。

そう心で思いながら時の流れを待つ。

ああ、いっそこのまま意識を失ってすっと眠っていたい。

すると、誰かがゆっくりと歩いてくる音が聞こえた。

コツコツ…コツコツ…

その足音に安心感さえ覚える私。

コツコツ…コツコツ…

どんどんと大きくなっていく音。

ああ、見つかったらその人はどんな顔をするのだろう

コツコツ…コツコツ……ピタ。

足音は目の前で止まった。

足音の持ち主はずっと黙っている。

変だなと心で思いつつ、私の意識は遠くなる。

すると、その人は小さな声でつぶやいた。

『なんか、大変そうだけど、手をかしてほしい?』

声のかわいらしさに一瞬驚く。

その声はかわいらしい凛々とした声だった。

小さな女の子…?

顔を見たくても力尽きて見れない。

『……無視かぁ〜…まぁいいや!きっとまたどこかで会うしね!』

何を言っているんだろう。

正直意味がわからない。

だけど女の子はまだしゃべり続ける

『変だとおもったでしょ?でも本当だからね?
 また会えるからね?へへへ…』

女の子はかわいく笑う。

私はもうわけがわからなくて最後の力を振り絞って顔を上げた

「ハァハァ…ね…え…何言って……」

目の前に広がる廊下に私は驚いた。

女の子がいない。

私は顔を上げたときにはもう女の子はいなかった

どうして…!?

去るときの足音も聞こえなかったのに…!

ますます頭がこんがらがり始める。

私はどうして倒れてるんだっけ?

あの女の子は何者なの?

過剰に頭が混乱する中私の記憶は少しずつ途切れる。

こんな気持ち悪さ初めて。

すると、まるで砂時計の上の砂が全部なくなった瞬間のように

私の意識は一瞬で途絶えた。