夕焼けが沈みかけて、暗くなっていく
明りも消えかけて、暗闇が町を包み込む。
沈んでいく夕陽が、冷たくて暖かい。
私はこの夕陽がまぶしくて、怖かった…
暗くなりかけている夕陽が花見公園を照らす。
「はぁはぁ…」
私はそこで倒れていた。
体中が傷だらけで頭は大量出血をしている。
頭の出血のせいで黄色の髪の毛は赤くなり、
ポタポタと水滴のように血が地面に落ちる。
さっきの事はよく覚えていない。
というか何時間たったのだろう…?
ただ、優華達にバッドで頭や顔、体中を蹴られて殴られた痛みは
体を通って無理矢理思い出させる。そして息が荒くなる…
今でも苦しい。あのときが…
あの笑い声…痛み……
慶介も殴ってきた。力が強かった
やっぱり、去年と変わってないね……
どうして…?どうして私なのかな……?
そう考えて行くうちに頭が重くなった。
意識が薄れていく…
痛い…苦しい…助けて…
ダレカ…タスケテ……シンジャウヨ……
「はぁ…はぁ……くる…しい…」
言葉を言うのも精いっぱいだった
誰かに助けを求めたかった。
でもそんなに大きな声を出す事なんて今では不可能。
今はもう夜になりかけ。誰も来てくれるはずがないよね……
「もう…ダメ…だね……ゴホッ!!」
その瞬間、私は口から血が出てきた
たらり…静かに口から血が流れる。
もう無理…私は死んじゃうんだ……
結局虐めに勝てなかった
負けてしまった。誰との関係も戻せず…
まだ詩織たちにも謝ってない…美麗とも別れを言っていない…
優華に復讐も出来ていない…真由ともっと話したかった
お姉ちゃんにも感謝を言いたかった。
お父さんとお母さんと…一度は手をつなぎたかった
前のお父さんとも会いたかった……
それに……慶介に謝りたかった…………
こんなにやり残したことがあるのに……私はここで死ぬんだ…
「いや…だ……」
私の意識は消えかけて行く…
もうこの光景も、もうお姉ちゃんと私と真由でこの公園で遊べない…
それにこの住宅街も町も見れなくなる…
学校にも行けない…美麗とも会えない……
「ごめ……んね…?みん…な……大好きだよ…………」
私の目からは一粒、涙がこぼれた。
プツン……
私の意識はココで途切れた……