大人オリジナル小説

Re: 死にたがりの少女は頬杖をつきため息をつく ( No.1 )
日時: 2011/10/05 16:27
名前: うさにゃんこ

チラチラと、水は白く光っていた

そこに、少女のゆがんだ顔が浮かんでいた

「お母さん、何処にいくの?」

少女は不安そうに手を握っていた若い女性に問いかけたが

女性は何も聞こえないかのように、黙ってザブザブと音をたてて進んでく。

「ねえっ・・・?おかあさ」

「これから遊園地に行くの」


少女の小さな声をかき消すように女性は黒く微笑んだ

お母さんと呼ばれることから、少女の母親だろう。

「お母さん、寒い。」

「もう少しで落園に行けるわ」


「らくえん??」

「そう、すぐに楽になれるわ」


グレーの服は、水でアスファルトのような色に近かった。

少女の胸の高さまで、水は上がっていた。

辺りは静かで、押しては引き寄せる、波の音だけがサラサラと耳に入っていた


少女は静けさに少し戸惑っているかのように、キョロキョロしていた。


「え・・・お母さん・・・あたしっ・・・背がっ・・・

 た・・・・っけ・・・・て・・・・ごほっ・・・おか・・・・

 さん・・・・ぶっ・・・かはっ・・・」


少女の声に母親の頬に涙が滑っていった


そして、母親の叫び声とともに、少女の顔の真上には大き目の円があった

ぽこんっ

と可愛らしい音をたて、そのまま消えていった


少女の動きも止まって、ただただ時間が過ぎていった