大人オリジナル小説

Re: ―ライト―行き着く先は、光?闇? ( No.3 )
日時: 2011/11/29 16:43
名前: 蓮

[五月]一頁

麻痺薬事件から3週間・・・
いつの間にか月は四月から五月へ、季節は春から夏へなっていた。
相変わらず、終わらないいじめ。

――別に、もうどうでもいいけど・・・・ね。

僕はきっと、すぐに耐えれなくなって・・・・。
壊れたんだろう。心が。
だから、こんなに薄感情になったのかもしれない。
いじめられて、涙が出ない人なんて、居るだろうか?
それは、きっと・・・。
もう、僕のように壊れてしまった人だけ。

だって、僕は元々『弱い』『下』の人間だから・・・。
すぐ、たった一週間で耐えられなくなったんだ。

からっと音をたてて扉が開くと。
「・・・・・?」
突然、バサァッと音がして・・・。
気づくと、ごみを頭から被っていた。
そして立っているのは、柊と、いつものメンバーと・・・。

学級委員の、藤堂信也さん・・・・?

彼は空のゴミ箱を持っていて、今にも泣きそうだ。
「雷斗・・・さんッ・・・。ごめんなさ・・・・いッ!」
だっと走り出して、彼は行ってしまった。
信也さん・・・。
まさか、脅されて?
僕にごみをかけなかったら、お前をいじめると――。

「ふん・・・。あいつも使えるじゃないか。」
柊が呟いた。

――彼は悪くないだろう。悪いのは、きっと、僕――。
信也さんはきっと嫌だといったはずだ・・・。

けど、僕にごみをかけたのは、本人の意思でなくても、いじめ。

そりゃ、誰だっていじめられたくないだろう。
『いじめ』は人を壊す物――。
僕と同じ気持ちを、関係ない人たちに味わって欲しくない。

けど、彼はこのことは一生心に残るのだろう。
自分がやってしまった、と悔やみながら――。

なにも自分では悲しくなくても、僕は・・・。
『弱い』人間だから。
今にも。きっと・・・・。泣きそうな顔してる。泣かないのが不思議すぎるぐらい・・・・。

でも、僕は泣かない。
涙は、もう奥に閉じ込められているから・・・・。