大人オリジナル小説

[02] ( No.3 )
日時: 2011/12/24 14:51
名前: DQ>(・A・;)

[02]

―理科準備室―

だんだんと顔に近づいてくるトイレ用のモップを目の前に、僕は喘ぐ。
「お願い、お願いだから・・・・やめて・・・・・!」
「いや、掃除しなきゃねぇ?君は汚れているからさ。
カンニングだろ?だったら汚れたその手を綺麗にしなきゃね」
「違うっ!!カンニングなんてしてない。やめて、離してぇっ!」

顔にモップが擦り付けられた。
そして、誰かがモップの磨く部分を口に突っ込んだ。
口の中に酷い味が広がった・・・・・
逃げたくても、いじめのメンバーが僕を押さえつけてて動けない。

<キーンコーンカーンコーン・・・・・・>

・・・静かに、チャイムがなった。
陽がモップを離し、言った。
「・・・・フフッ、綺麗になるどころか逆に汚くなったようだ。洗ってあげようか」
すると僕に泥で汚れた水がかけられた。
真冬で唯でさえ寒いのに、水をかけられて更に寒い。
「ああ・・・・、後片付けお願いね」
陽が言うと、彼らは笑って出て行く。

「ううッ・・・・もう、嫌だ・・・・・・・・」
小さく呟くと、理科室の雑巾を使い、床を拭いた。
そしてモップとバケツをトイレに戻すと、静かに教室へ向かった。

教室に近づき、扉を開けようと取っ手に手をかけると・・・・・
「鈴木はいないのか!?今日は欠席じゃないはずだが?」
荒井先生!?次、国語だっけ?
荒井先生とは、学校一怖い先生のことである。

先生が怒鳴ると、僕は今すぐにも入っていこうと思った・・・・が。
「鈴木君なら、理科室に居ましたよ。何かしてました」
陽・・・・・!!
何かしてたのは、お前達だ!僕を散々いたぶったくせに・・・・・!

「何か?あいつは何をやっているんだ!」
先生の怒鳴り声が聞こえる。
・・・・仕方ない。
僕は一つの嘘をつくことにした。

<カラッ>

乾いた音を立てて、扉が開いた。
「遅れてすいません・・・・・飼育当番の仕事でインコの餌がなくなってて・・・・
理科室に探しにいって、あったんで外に戻ったら、運悪く水、頭から被りました」

これで、大丈夫なはず・・・・
運よく僕は今日飼育当番だし、餌は理科室にあるし、
外では水やりをしている1年の女の子がいた。

「そうか、そういうことだったのか。なら座ってよし」
「ありがとうございます」
僕はグショグショに濡れた制服のまま席に着いた。