大人オリジナル小説

Re: 暗闇の世界で、翼は溶けていった。 ※少し修正中。 ( No.63 )
日時: 2012/11/13 21:12
名前: 来夏

 episode 戸川将太


「停学……」


 職員室前の掲示板に、一枚のプリントが貼ってあった。
 それは実に簡潔にまとめられてて。


 <2−D 工藤雛
      四之宮紘歌
      

  以下の者を停学処分とする。>


 四之宮がした事が、ついに認められたって事でいいんだろうか。
 

「……」


 四之宮に伝えたかった事は、結局届かなかったのかな。
 ただ、殴るとか、そういう事だけはしてほしくなかった−−


「……」


 ため息を付きながら、教室へと向かう。合唱コンクールとか文化祭とか、もうどうでもいいって感じがする。
 みんな、虐めのせいで一致団結なんて出来ない。
 いざ向かおうとして、足を進めた時だった。


「戸川」
「……古川」


 振り向くと、そこには眠そうにしていた古川。ちょうど今登校してきたらしい。
 でも明らかに眠そうだった。


「……えっと、何か、用?」
「あー。話しかけただけだ。つか、いっつも弓道場に居る気がすんだけど」
「お、俺弓道部だから……」


 古川とはまともにしゃべった事が無いから、知らないのも当然か。


「へー……。俺保健室でサボっから」
「……え?」


 古川はまた欠伸をすると、保健室へ向かって行った。


「……何だかなぁ」


 きっと、みんな色々事情抱えてるんだろうなぁ。


 そう思いながら、俺は教室へと歩いて行った。