大人オリジナル小説
- Re: Re:愛してる ( No.6 )
- 日時: 2012/02/24 22:58
- 名前: おかゆ
『可愛くない子ね』
「・・・・、」
久しぶりに昔のことを思い出した。あぁ、なんで今になって。
「・・・そんなこと分かってますって・・」
『可愛げのない子』
生まれてから十数年、何度も言われた言葉。
「はぁ・・」
別に小さい頃はもっと笑顔な子だった・・と思う。
あ、思い出した。
父親が死んでからこうなったのか。
確か今日は遅く家を出るんだとかで珍しく私が学校に行く時間まで家にいて。
私が行ってきますって笑顔でいって、そのあと父さんも仕事に行って。
でも、帰ってこなくって。
お母さんがたくさん泣いていたけど私は泣けなかった。
『父親がなくなったのにあの子、泣いてないんですって』
『心がない子なのかしら』
『泣いたっていいのにねぇ』
『まったくなんて、』
『可愛げのない子』
お母さんは『悲しすぎて逆に泣けなくなったんだよね』って言ってくれた。
それからも私は悲しい事があっても泣かなかった。
いや、
泣けなかったのか。
今もそれなりに笑うことも出来る。
でも泣くことは出来ない。
『可愛くない子』
なんども言われてるけどやっぱりまだなれてなくて。
「・・・・・・」
家に帰りたくない。
お母さんもまだ仕事だし。誰もいないし。
私は何を望んでるんだろう。
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