大人オリジナル小説
- Re: Re:愛してる ( No.64 )
- 日時: 2012/05/30 21:01
- 名前: おかゆ
世界が、とまった。
「停学、ですか」
そのときの声はとても冷静で、自分でもびっくりした。
「―わかりました」
自分の顔をよく見たわけではないけど。
笑っているような気がした――…
* * * *
「ねぇ!!市川さんのあれ!!」
「停学だよね?やばくない!?」
「うちは退学だって聞いたよ?」
「どっちにしろアウトじゃん!!」
今日、市川が休んだ。
市川のうわさはまたあっという間に広がった。
「(どんどん有名になってってるなー)」
なんてことを考えながら携帯をだしてメールをする。
「お、翔携帯変えた?」
「あー、うん。まぁ」
「メアド変わってないよな?」
「あー、うん」
「そうか」
スマホっていいよなーとかなんとかいっている友達の話を半分無視して市川にメールを送った。
適当なあいずちをしつつ、すばやく手を動かす。
「(…送信)」
送り終わったときには友達はいなかった。
「お」
送って数分後に返信。
『私は大丈夫だけど』
『あんたは大丈夫なの?』
『私といたからいろいろいわれてるんじゃない?』
「…はぁ」
市川は優しい。
それが他人には見えてないだけで、見た目は冷たいイメージがあるが、普通の人より数倍優しいってことが最近になってわかった。
だから、
だから自分にも優しくなっていいのに。
彼女はそれを許さない。
きっと、過去に友達を裏切ったと思っているから。
「自分の心配しろよって言ってんのに」
大丈夫なんて嘘だろうな。とか思いながら、
小さく笑った。
(今日はどうして過ごそうか、)
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