ふわり。
ねぇねぇ、あのね、いいお話。
昔のお話なんだけど。
とっても切ない優しいお話しの、その後の話。
――――――
―――――――――
―――――――――――――・・
「・・・・・瑠璃」
いつの間にか眠っていた私を優しく起こしてくれた理紗。
「もう、学校終わったの?」
「もうって、私が来てから30分は寝てたよ?」
寝すぎといって笑う理紗が変わってなくて思わず抱きしめた。
「えっ!?ちょっと、瑠璃・・?」
「ごめんね、理紗」
理紗に会う前、眠ってしまう前、始めに何を言おうか考えていた。
考えて、考えて、考えた結果こんな言葉しか出てこなかったけど。
それでもまだたりない。こんなんじゃ、まだ。
「・・・・・最近どう?」
「え?んー・・すっごく楽しいよ。皆明るくて楽しい子ばかりだし・・」
違う。
そんなのが聞きたかったわけじゃない。
本当は不安なんでしょう?
ほら、そう言って右手の甲をさすってる。嘘をつくときによくやるクセ。
「・・・・・・そういえばさ!!私最近手芸にはまったんだー」
「へぇー・・どんな物作るの?」
「ちっちゃい小物とか人形とか」
「すごいね・・・今度見せてよ」
無理に話題を変えても会話が続かない。
「いつぶりだろうね・・よくここで遊んだ記憶があるなぁ」
「そうだねー」
本当は話したいことなんて山ほどあるのに。
でも私達が話さないのは多分、
あの日のことを触れたくなかったから――・・。
でも進まなきゃいけない。もう逃げちゃダメだから。
「「あのさ、」」
同時。2人が声を出した。
―――――
――――――――
――――――――――――
ふわり、ふわり。
すれ違いばかり起こした少女達の、その後のお話。
あれれ?その後のお話が白紙だよ。
『ねぇ瑠璃これ今の私達みたいだね?』
どこかで懐かしい友人の声。
本当だね、似ているね。と少女は思う。
そして、
蚊の鳴くような声で呟いたんだ。
(じゃぁこの続きは今から起こる出来事なのかな、)