大人オリジナル小説

Re: Re:愛してる ( No.80 )
日時: 2012/08/07 00:47
名前: おかゆ




  ふわり。


ねぇねぇ、あのね、いいお話。

昔のお話なんだけど。

とっても切ない優しいお話しの、その後の話。


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「・・・・・瑠璃」

いつの間にか眠っていた私を優しく起こしてくれた理紗。


「もう、学校終わったの?」
「もうって、私が来てから30分は寝てたよ?」


寝すぎといって笑う理紗が変わってなくて思わず抱きしめた。


「えっ!?ちょっと、瑠璃・・?」
「ごめんね、理紗」


理紗に会う前、眠ってしまう前、始めに何を言おうか考えていた。

考えて、考えて、考えた結果こんな言葉しか出てこなかったけど。
それでもまだたりない。こんなんじゃ、まだ。



「・・・・・最近どう?」
「え?んー・・すっごく楽しいよ。皆明るくて楽しい子ばかりだし・・」


違う。


そんなのが聞きたかったわけじゃない。

本当は不安なんでしょう?
ほら、そう言って右手の甲をさすってる。嘘をつくときによくやるクセ。



「・・・・・・そういえばさ!!私最近手芸にはまったんだー」
「へぇー・・どんな物作るの?」
「ちっちゃい小物とか人形とか」
「すごいね・・・今度見せてよ」



無理に話題を変えても会話が続かない。


「いつぶりだろうね・・よくここで遊んだ記憶があるなぁ」
「そうだねー」


本当は話したいことなんて山ほどあるのに。
でも私達が話さないのは多分、


あの日のことを触れたくなかったから――・・。

でも進まなきゃいけない。もう逃げちゃダメだから。



「「あのさ、」」



同時。2人が声を出した。



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ふわり、ふわり。



すれ違いばかり起こした少女達の、その後のお話。

あれれ?その後のお話が白紙だよ。



『ねぇ瑠璃これ今の私達みたいだね?』


どこかで懐かしい友人の声。


本当だね、似ているね。と少女は思う。

そして、



蚊の鳴くような声で呟いたんだ。

(じゃぁこの続きは今から起こる出来事なのかな、)