大人オリジナル小説

Re: 私って、生きてる意味、あるのかな。 ( No.1 )
日時: 2012/03/14 09:23
名前: 香月

No.1 「苦しい。」



 疲れた。
 毎日に。生きることに。

 「・・・ただいま」

 小さく言うけど、返事はない。
 時計の針は、12と8を指している。
 お腹、すいたな・・・・・・。
 お腹に手を当てながら、リビングに入る。

 「ただいま」

 一瞬、リビングが静まり返る。
 けど。

 「・・・そんでさー、今週の日曜、そこ行ってもいい?」
 「もちろんよ、秋人。誰と行くの?」

 何事もなかったかのように話し始める二人。
 ・・・まあ、いつも通りだよね。
 そう思いつつも、お腹がへっていた私は、一応『お母さん』に訊く。

 「夕ご飯、もうできてる?」

 その言葉を聞いた『お母さん』は、急にヒステリックに叫んだ。

 「敬語を使いなさい!あんたなんかに食べさせるものなんてないわよ!」

 それに便乗する『弟』。

 「そーだよ。ばっかじゃねえの?さっさと餓死すれば?」

 …餓死、できるんなら、したいよ。
 そう思いながら、リビングを出て行く私。

 あーあ。なんで私って、『私』なんだろう。
 もし私が『倉藤海湖』じゃなかったら、こんな苦しい思いをしなくてよかったのに。


 …もし生まれてなかったら、生きなくてすんだのに。