大人オリジナル小説
- Re: 私って、生きてる意味、あるのかな。 ( No.4 )
- 日時: 2012/03/22 09:22
- 名前: 香月
No.4 「求める。」
…もはやうつ病でしょ、これ。
ふふっと自嘲する。
「…にしても、お腹へったな…」
私は、自分の部屋で座り込む。
「地獄週間、二日目」
お父さんが出張でいないのは、あと五日。
…どう考えても、長いよなあ…。
さすがに五日間断食は、ムリだ。
そう思った私は、机に向かう。机の上の貯金箱を手に取り、上下にふる。
「…やっぱり。とられてるし…」
絶対に『弟』だ。胸が重い憎しみでいっぱいになる。
ガン!
私は貯金箱から手を離した。
「ちょっと!何暴れてるの?」
「静かにしろよ!」
とたんに下から飛んでくる罵声。
それはこっちのセリフですよ。
ひとつため息をつく。
時間は…八時半か。
…仕方ないや。
私は机の一番下の引き出しを開ける。
もう何年も使っていないレターセットの中の封筒を取り出し、中から千円札を一枚取り出す。
いわゆる、へそくりってやつだ。
私はその千円札を財布に入れ、制服のまま外に出た。
背後で、鍵をかける音がする。
でも、ふり向かない。
私が求めるのは、光だけ。
遠い遠い、光だけ。
光なんてないさ、そこには。
…あるよ、絶対。
どうして分かるんだい?
…あなたこそ、なんで分かるの?
知ってるからだよ、全てを、ね。
………光はあるよ、きっと。
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